
プレミアリーグを蝕む「暗号資産スポンサー」――英金融当局がクラブに異例の警告
標的となったのは、プレミアリーグを含む英国のフットボールクラブである。英金融行為監督機構、FCAは水曜日、認可を受けていない金融会社とのスポンサー契約を避けるよう、各クラブに警告した。

英国の金融規制当局が、ついにサッカー界にメスを入れた。
標的となったのは、プレミアリーグを含む英国のフットボールクラブである。英金融行為監督機構、FCAは水曜日、認可を受けていない金融会社とのスポンサー契約を避けるよう、各クラブに警告した。背景にあるのは、熱心なサポーターたちが、保護のないままリスクの高い暗号資産取引所やオンライントレーディング・プラットフォームへ誘導されているのではないか、という懸念だ。
FCAは発表の中で、暗号資産関連企業やオンライントレーディング業者を含む複数の無認可企業が、フットボールのスポンサーシップを利用し、「事情を知らない」サポーターに接近していると指摘した。
こうした企業は、英国で認可を受けずに営業している可能性があり、英国の金融サービス法に違反しているおそれがある。FCAはさらに、そうした業者を利用するファンは「すべての資金を失うリスク」があると警告した。
今回の介入で、矢面に立たされたのは業者だけではない。クラブ側にも厳しい目が向けられている。
FCAは各フットボールクラブに直接書簡を送り、無認可の金融会社とのスポンサー契約はファンを危険にさらすだけでなく、クラブ自身にも法的責任、マネーロンダリング・リスク、そして深刻な評判失墜をもたらしかねないと伝えた。スポンサー企業に対する十分な調査を怠れば、ピッチ外での代償は決して小さくない、というわけだ。
この警告は、暗号資産やトレーディング関連ブランドがトップリーグのフットボール界で存在感を増す中で出されたものだ。個人投資家向けの取引プラットフォームは、クラブスポンサーとしてユニフォームやスタジアムに大きく露出し、知名度を高めてきた。一方でFCAは、金融商品の宣伝規制の執行を強めている。
FCAは英国のすべてのクラブに対し、金融サービス関連のスポンサーについて、適切かつ継続的なデューデリジェンスを行うことを求めている。すでに懸念が確認されている案件については、措置を取る構えも示した。
暗号資産スポンサーの急増
FCAの警告は、暗号資産やトレーディング関連ブランドがフットボール界へ急速に流入している状況を受けたものだ。
その一例が、暗号資産関連グループのLAK3カンパニーである。同社は2024〜25年シーズンにウルヴァーハンプトン・ワンダラーズのスポンサーを務めたが、FCAの無認可企業に関する警告リストに掲載されている。

LAK3 Company appears on the FCA's warning list. Source: FCA
一方、ビンエックスとオーケーエックスは、それぞれチェルシー、マンチェスター・シティと提携している。両社はFCAの警告リストには掲載されていない。ただし、フィナンシャル・タイムズによると、FCAの認可業者登録簿には見当たらないという。
こうした契約によって、個人投資家向けの取引プラットフォームは、ユニフォームやスタジアムという目立つ場所に広告を出すことができた。だがFCAは、高リスク商品の宣伝に対する締め付けを強めている。
FCAはコインテレグラフのコメント要請に、記事公開時点までに回答しなかった。ただし今回の通知では、英国で認可を受けていない企業が消費者に金融商品やサービスを宣伝する場合、その広告は金融プロモーション制度のもと、認可業者の承認を受けなければならないと強調している。
ビンエックスの広報担当者はコインテレグラフに対し、同社は「サービスを提供している国々において、登録または必要な規制上の承認を取得している」と説明した。
暗号資産マーケティングはFCAの監視下に
FCAはすでに2023年10月、暗号資産マーケティングを金融プロモーション制度の対象に組み込んでいる。その初日だけで146件の警告を出し、2026年2月には、世界的取引所HTX、旧フォビに対し、英国消費者向けの違法な暗号資産プロモーションを行った疑いで、初の執行措置に踏み切った。
今回の動きは、フットボールのスポンサーシップもまた、FCAの暗号資産マーケティング規制の射程に明確に入ったことを意味する。
FCAは、この問題に対処するため、英国政府、プレミアリーグ、そして新設予定の独立フットボール規制機関と連携していると明らかにした。
締め付けの流れは暗号資産だけにとどまらない。英賭博委員会も別途、ボーンマス、フラム、ニューカッスル、ウルヴァーハンプトンのプレミアリーグ4クラブについて、子ども用レプリカユニフォームに賭博広告が掲載されている問題を警告している。フットボールという巨大な人気産業を通じて、高リスク商品がどのように売り込まれているのか。規制当局の警戒感は、着実に高まっている。
コインテレグラフはチェルシー、マンチェスター・シティ、オーケーエックス、LAK3カンパニーにもコメントを求めたが、記事公開時点までに回答は得られていない。
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