
トランプ氏の会社、暗号資産1兆円提携を電撃白紙撤回 乗り換え先はまさかの「原子力」企業だった
トランプ大統領のメディア企業TMTGが、暗号資産取引所クリプト・ドットコムとの巨大提携を土壇場で解消。行き先はエネルギー企業TAEとの合併——その裏には「規制」より生々しい理由があった。

またしても、トランプ関連ビジネスが世間を驚かせた。
米国のドナルド・トランプ大統領が率いる「トゥルース・ソーシャル」の運営会社、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)が、暗号資産取引所大手クリプト・ドットコムとの提携交渉から事実上、手を引いたことがわかった。米メディア・アクシオスが金曜日、いち早くこの動きをスクープしている。
TMTGのケビン・マクガーン暫定CEOによれば、白紙になったのは以下の2件だ。
- 総額64億ドル(現在のレートで約1兆100億円)規模の暗号資産「CRO」を買い集める"財務戦略"
- トゥルース・ソーシャル上に予測市場機能を組み込む計画
TMTG、クリプト・ドットコム、そして特別買収目的会社(SPAC)のヨークビル・アクイジション・コーポレーションの3社は共同で、「市場環境の変化と、事業・関係者の優先順位の変化」を理由に挙げ、CRO買い集め計画そのものを解消したことを明らかにした。
そもそも、何があったのか
話は2025年9月にさかのぼる。TMTGは、クリプト・ドットコムが発行する独自トークン「CRO」を数十億ドル規模で買い付ける計画を発表。将来的にはトゥルース・ソーシャルの利用者に暗号資産で"還元"する構想まで語られていた。
さらに翌10月には、「トゥルース・プレディクト」という予測市場サービスを同プラットフォーム上で始めると追加発表。トランプ陣営の"暗号資産シフト"は着々と既成事実化しているように見えた。
乗り換え先は、まさかのエネルギー企業
ところが今回、TMTGが新たに舵を切ったのは、エネルギー企業「TAE」との合併だという。暗号資産からエネルギーへ——方向転換にも程がある、との声が出ても不思議ではない。
マクガーン氏は、今回の路線変更について「規制上の懸念というより、競合との力関係が主な理由」と説明したと報じられている。つまり、当局からの"待った"ではなく、ビジネス上の駆け引きの結果だという建前だ。
消えない「利益相反」疑惑
とはいえ、トランプ氏をめぐる暗号資産絡みの疑惑は、これで収まる気配がない。米議会では現在、暗号資産の市場構造を定める法案の審議が進んでおり、複数の議員が「トランプ一族と、その暗号資産投資との利益相反」を防ぐ倫理条項の明記を強く求めている。
大統領一家のビジネスと国家の規制方針が、あまりに近すぎるのではないか——。今回の"白紙撤回"劇も、その疑念を払拭するどころか、かえって注目を集める結果になりそうだ。

