
ビットコイン爆買い企業ストラテジーに限界説 配当余力14カ月でクリプトクアントが警告
クリプトクアントは、配当支払い余力の急低下を受け、ストラテジーにビットコイン購入の一時停止を迫った。一方で、CBOEは暗号資産の無期限先物に照準を合わせ、チェーンリンクはステーブルコインを使った外国為替決済プロジェクトに加わった。

今週、暗号資産分析会社クリプトクアントが、市場に広がる「マイケル・セイラー率いるストラテジーは、ひたすらビットコインを買い続ける」という物語に冷や水を浴びせた。同社に対し、ビットコイン購入をいったん止め、手元資金を立て直すべきだと促したのである。きっかけは、配当の支払い余力が、約7年分からわずか14カ月分にまで急低下したことだった。
もちろん、ストラテジーがすぐに資金繰りに窮するという話ではない。しかし、クリプトクアントの警告は、同社のビットコイン戦略を支える資金調達の“骨組み”に、改めて厳しい視線を向けさせるものだ。現金残高は細り、配当負担は膨らむ。そんな中で、ストラテジーが今後も新たなビットコイン購入を続けられるのか。市場は、その持続力を見極めようとしている。
今週の「クリプト・ビズ」では、そのほかにも業界の変化を映す動きが相次いだ。CBOEはビットコインとイーサの無期限先物を視野に入れ、チェーンリンクは欧州および韓国の銀行勢とステーブルコインを使った為替決済に取り組む。そして、ジーキャッシュのマイニング企業フォーティチュードは、医療テック企業との意外な合併を通じてナスダック上場を目指す。
クリプトクアント、ストラテジーにビットコイン購入停止を進言 配当余力は14カ月に急低下
今週初め、クリプトクアントは、ストラテジーによる積極的なビットコイン買い集めについて、もはや持続が難しくなりつつあると指摘した。配当の支払い余力が約7年分からわずか14カ月分に落ち込んだことを受け、同社に対し、まずは手元資金を積み直すべきだと促した。
クリプトクアントのキ・ヨンジュCEOによれば、ストラテジーの現金ポジションは悪化している。原因の一つは、年利11.5%のSTRC優先株を大量発行したことで、年間配当負担が12億ドル、約1940億円にまで膨らんだことだ。直近のMSTR株売却により、同社の現金準備は約14億ドル、約2260億円まで回復したものの、2029年満期のシニア債15億ドル、約2430億円を買い戻した影響もあり、年初来ではなお38%減少している。
ストラテジーの資金調達モデルには、さらに圧力がかかっている。STRC優先株は最近、額面100ドルを最大17.5%下回る水準まで下落した。これは、同社が追加の優先株売却で新たな資金を調達する余地を狭めるものだ。

Strategy’s cash reserve and dividend coverage. Source: CryptoQuant
ビットコインとイーサ先物の無期限化を検討
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、シカゴ・オプション取引所、通称CBOEは、継続型のビットコインおよびイーサ先物を、無期限先物へ転換する案を検討している。
この動きの背景には、米商品先物取引委員会、CFTCによる最近の規制変更がある。CFTCは、カルシに対して暗号資産の無期限先物を承認し、さらに登録取引所が同様の商品を提供するための枠組みも示した。
CBOEは昨年12月、ビットコインとイーサの継続型先物を立ち上げた。契約期間は最長10年に及ぶ。一方、無期限先物には満期日がない。そのため、トレーダーはレバレッジをかけたポジションを理論上いつまでも維持できる。この仕組みは、暗号資産デリバティブ取引所ビットメックスによって広く知られるようになり、いまでは中央集権型、分散型の双方の市場で利用が広がっている。

Perp volumes have surged across DeFi exchanges. Source: DeFiLlama
ジーキャッシュ採掘企業フォーティチュード、ハートサイエンシズとの合併でナスダックへ
ジーキャッシュのマイニング企業フォーティチュード・マイニング・ホールディングスは、医療テクノロジー企業ハートサイエンシズとの株式交換による合併を通じて、株式公開に踏み切る見通しだ。まったく異なる業種の二社が、奇妙にも一つの器に収まることになる。
この合併により、フォーティチュードは従来型の新規株式公開、つまりIPOを経ずにナスダック上場を確保できる。一方、ハートサイエンシズの既存株主は、統合後の会社の少数持分を保有することになる。取引完了後、統合会社はフォーティチュードの名称で運営され、規制当局の承認を条件に、ティッカー「TUDE」でナスダックに上場する見通しだ。
この発表を受け、ハートサイエンシズ株は火曜日に一時91%高まで急騰した。もっとも、合併前の同社は黒字化しておらず、製品ロードマップを前進させながらも、2025会計年度には877万ドル、約14億円の純損失を計上していた。

HeartSciences stock. Source: Yahoo Finance
チェーンリンク、欧州・韓国の銀行グループとステーブルコイン為替決済を模索
チェーンリンクは、欧州および韓国の金融機関と組む国境を越えた銀行イニシアチブに参加した。規制下にあるユーロ建ておよびウォン建てステーブルコインを使い、リアルタイムの外国為替決済が可能になるかを検証する。
「プロジェクト・パンゲア」と名付けられたこの作業部会には、韓国のデジタル資産インフラ企業フェアスクエアラボ、ユニファイド・コリア・アライアンス、キヴァリス、そしてチェーンリンクが参加する。目的は、ブロックチェーンベースの決済インフラを使ったアトミックスワップの実用性を評価することだ。
ただし、プロジェクト・パンゲアは、すぐに実運用の決済ネットワークを立ち上げるものではない。狙いは、トークン化された通貨がホールセール金融市場をどう改善できるかを探ることにある。世界の外国為替市場では、1日あたり推定9兆6000億ドル、約1555兆円もの取引が行われている。銀行の間では、ステーブルコインやトークン化預金を使い、国境を越えた決済を近代化し、摩擦を減らし、効率を高めようとする関心が高まっている。

In a bullish scenario, the stablecoin market could reach $4 trillion by 2030. Source: Citigroup
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