
イリノイ州が暗号資産取引に0.2%課税へ 業界反発「他州に例のない新税」
米イリノイ州で、暗号資産業界がざわついている。発端は、月曜日にイリノイ州議会で可決された 560億ドル(約8兆9,779億円)規模 の州予算案だ。その中に、暗号資産ユーザーを直撃しかねない新たな課税措置が盛り込まれていた。

米イリノイ州で、暗号資産業界がざわついている。
発端は、月曜日にイリノイ州議会で可決された 560億ドル(約8兆9,779億円)規模 の州予算案だ。その中に、暗号資産ユーザーを直撃しかねない新たな課税措置が盛り込まれていた。
2027会計年度のイリノイ州予算の一部として提出された上院法案では、暗号資産取引に対して 0.2%の税 を課す内容が盛り込まれている。課税対象となるのは、デジタル資産の販売を行う、または成立させる「デジタル資産ブローカー」だ。歳入・税制パッケージの一部であるこの法案は、実に1624ページに及ぶ。可決は月曜日未明。採決は、与野党の党派色がくっきり分かれる形となった。

Senate Bill 3019. Source: Illinois General Assembly
この措置は、法案内の「デジタル資産特権税法」修正条項で「特権税」と説明されている。さらに、イリノイ州でデジタル資産ブローカーとして事業を行う事業者には登録義務も課される。
問題は、その罰則の重さだ。
来年1月1日以降、定められた規則に従わなかったブローカーは、イリノイ州で クラス3の重罪 に問われる可能性がある。刑罰は 2年から5年の禁錮刑、さらに最大 2万5000ドル(約401万円) の罰金だ。
州議会を通過したとはいえ、予算案が法律として成立するには、まだ J・B・プリツカー知事 の署名が必要になる。プリツカー氏は近く署名する意向を公の場で示しているが、金曜日朝の時点では署名はまだ行われていなかった。州議会側は、この暗号資産税によって 6000万ドル(約96億円) の税収を見込んでいる。
だが、業界側は強く反発している。
批判の中心にあるのは、この新税が巨大な予算案の中に「埋め込まれた」ように見える点だ。デジタル・チェンバーとイリノイ・ブロックチェーン協会は水曜日、州に対してデジタル資産特権税法を退けるよう求める書簡を送った。両団体は、この措置を「経済的に破壊的」と表現し、業界に対する事前説明もなかったと訴えている。
デジタル・チェンバーは木曜日、Xへの投稿でこう主張した。
「同様の税を課した州は他にない。この提案をめぐって利害関係者との協議が欠けていることは、重大な懸念を生じさせる」

Source: The Digital Chamber
イリノイ州では、暗号資産をめぐる規制強化の動きが続いている。
今回の暗号資産税案に先立ち、プリツカー知事は4月21日、州職員がカルシやポリマーケットといった企業の予測市場イベント契約に賭けることを禁じる行政命令に署名していた。
理由は、選挙で選ばれた公職者らが、非公開情報へのアクセスをもとに、こうしたプラットフォームを「個人的な利益や優位性のために」利用する恐れがあるというものだった。
暗号資産取引への0.2%課税。数字だけを見れば小さく見える。だが、業界にとっては、単なる税率以上の意味を持つ。
「暗号資産をどう扱うのか」。
その線引きをめぐり、イリノイ州は全米の暗号資産業界に、新たな火種を投げ込んだ形だ。

