
銀行がついにステーブルコインを出す時代へ クレディ・アグリコル、ユーロ連動「EURXT」を発行
クレディ・アグリコル傘下のカセイスは、イーサリアム上でユーロ連動型ステーブルコインを発行した。発行済みトークンは2,002万枚、裏付け資産は約37.05億円相当となる。機関投資家の資金フローと、トークン化ファンドへのアクセスを狙う。

欧州で資産規模第3位の銀行であるクレディ・アグリコルが、ユーロ裏付け型ステーブルコイン「ユーロ・エクスチェンジ・トークン(EURXT)」を立ち上げた。発行を担うのは、同行の資産管理サービス部門であるクレディ・アグリコル・ケス・デパーニュ・インベスター・サービシズ、通称カセイスである。
カセイスは水曜日、EURXTのローンチを発表した。あわせて、トークン化されたアムンディのマネー・マーケット・ファンドに、EURXTを使った初の申し込みが行われたことも明らかにした。
EURXTはイーサリアムのブロックチェーン上で発行される電子マネートークン(EMT)で、ユーロと1対1で連動する。まずは機関投資家や法人顧客を対象に展開される。クレディ・アグリコルとしては、トークン化金融への攻勢を一段と加速させる狙いだ。
このローンチは、ステーブルコインとトークン化をめぐる伝統的金融機関同士の競争が、いよいよ本格化していることを示している。大手銀行は、ブロックチェーンを使った決済を主流の金融市場へ持ち込もうとしている。エスアンドピー・グローバルによると欧州で資産規模1位と2位の銀行であるエイチエスビーシーとビーエヌピー・パリバも、昨年9月、機関投資家向けの現実資産(RWA)のトークン化を進めるため、カントン財団に参加している。
準備金と供給構造
プロジェクトのホワイトペーパーによれば、EURXTの発行量に上限は設けられていない。つまり、スマートコントラクトの仕組みによって、需要に応じて供給量を増やすことができる。
ホワイトペーパーにはこう記されている。
「ホワイトペーパーの日付時点において、EURXTの発行量に制限はない。流通するEURXTの数量は、市場の需要によって決まる」

Source: Stable-xt.io
プロジェクトのウェブサイトのデータによれば、ローンチ時点で流通しているEURXTは2,002万トークン。これに対応する形で、カセイス銀行には約2,002万ユーロ、日本円で約37.05億円相当の準備金が保有されている。
カセイスはフランスでMiCAライセンスを取得済み
EURXTは、欧州連合(EU)の暗号資産規制である「暗号資産市場規制(MiCA)」に準拠する形でローンチされた。MiCAは、暗号資産取引所やデジタル資産の発行体を対象とするEUの規制枠組みである。
今回のローンチは、カセイスが2025年6月にフランス当局からMiCAに基づく暗号資産サービスプロバイダー(CASP)ライセンスを取得してから1年後のことだ。

Source: Stable-xt.io
一方、コインテレグラフは、6月26日時点で最終更新されている欧州証券市場監督機構(ESMA)の登録簿上で、EURXTの電子マネートークン承認を確認することはできなかった。これについてカセイスの広報担当者は、フランスの銀行監督当局である健全性監督破綻処理機構(ACPR)が、カセイス銀行にEURXTの発行を認可していると説明したうえで、ESMAの登録簿にはまだその認可が反映されていないと述べた。
EURXTの登場は、欧州のみならず世界的に相次ぐ新たなステーブルコイン発行の波に加わるものだ。伝統的金融機関と暗号資産ネイティブ企業が、規制に準拠したデジタルドルやデジタルユーロの発行をめぐってしのぎを削っている。
欧州では、オールユニティがMiCA準拠のステーブルコイン基盤を拡大しているほか、クアントズ・ペイメンツもユーロ建てステーブルコインの展開を続けている。
米国では、ビザ、マスターカード、コインベース、リップルを含む140社超が、ステーブルコインプロジェクト「オープンUSD(OUSD)」に参加している。このプロジェクトでは、参加企業がドル連動型トークンを無償で発行でき、さらに準備金から得られる収益をすべて受け取ることができる。

