
ビットコインETFから7000億円流出 価格下落の原因は「機関投資家の売り」か
米国上場の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)から、資金が止まらない。水曜日、米国の現物ビットコインETFは売り越しが続き、これで過去最長となる13営業日連続の資金流出となった。ビットコイン需要の弱まりが、いよいよ数字となって表れている。

米国上場の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)から、資金が止まらない。
水曜日、米国の現物ビットコインETFは売り越しが続き、これで過去最長となる13営業日連続の資金流出となった。ビットコイン需要の弱まりが、いよいよ数字となって表れている。
ソーソーバリューのデータによれば、水曜日だけで現物ビットコインETFからは3億9660万ドル、日本円にして約635億円の純流出が発生した。この連続流出が始まって以降の累計流出額は、約44億ドル、約7040億円に達している。
これまでの最長記録は、2025年2月の8営業日連続流出だった。このときは、およそ32億ドル、約5120億円がファンドから流出していた。今回の13営業日連続流出は、その記録を大きく塗り替えた格好だ。

Bitcoin price briefly dipped below $63,000 on Thursday. Source: CoinGecko
木曜日、ビットコイン価格は一時6万3000ドル、約1008万円を下回った。
今回の資金流出が始まった5月15日以降、ビットコインは約8万ドル、約1280万円から、記事執筆時点の6万3400ドル、約1014万円まで下落した。下落率は約21%に及ぶ。市場関係者の間では、ETF需要の鈍化、長期保有者による売却、そしてマイナーへの圧力が、価格下落の背景として指摘されている。
ブラックロックのIBITだけで33億ドル流出
流出の中心にいたのは、ブラックロックの「アイシェアーズ・ビットコイン・トラスト」、IBITだった。
ファーサイド・インベスターズのデータによれば、13営業日の連続流出期間中、IBITからは約33億ドル、約5280億円が流出した。これは全体の流出額の約75%に相当する。
次に大きかったのは、フィデリティの「フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド」、FBTCだ。流出額は約4億5660万ドル、約731億円。続いて、グレースケールの「グレースケール・ビットコイン・トラストETF」、GBTCが約3億360万ドル、約486億円の流出となった。

Bitcoin ETF flows, AUM and Bitcoin holdings as of June 2, 2026. Source: WalletPilot
ウォレットパイロットのデータによれば、過去30日間で米国の現物ビットコインETFは5万1726BTCを失った。金額にすれば、ほぼ50億ドル、約8000億円に相当する。
火曜日時点で、IBITの保有量は約78万6800BTC。FBTCは18万1770BTC、GBTCは14万6400BTCを保有していた。
「需要急減」の見方で割れる市場
ビットコインをめぐる最近の資金流出と価格下落について、クリプトクアントのリサーチ責任者フリオ・モレノ氏は、2022年のテラ/ルナ崩壊後に匹敵する需要収縮だと指摘している。
同氏によれば、全体の需要は過去1カ月で約50万1000BTC減少した。これは2022年5月以来、最も速い月間減少ペースだという。

Source: Julio Moreno
もっとも、売り圧力の正体について、業界内の見方は割れている。
ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、ビットコインETFやマイケル・セイラー氏率いるストラテジーのような長期の機関投資家は、依然として買い越し主体だと指摘する。
「ブーマー世代のことは忘れろ。誰か“古参組”に電話したほうがいい。今回の背後にいるのは彼らだ」
バルチュナス氏はそう述べた。
一方、市場コメントの中には、デリバティブのポジションや取引所での動きが価格下落を招いた可能性を指摘する声もある。オンチェーン上の売却が限定的であることから、レバレッジや清算がボラティリティを増幅させている、という見立てだ。
クリプトクアント創業者のキ・ヨンジュ氏は、初期のビットコイン保有者やマイナーによる最近の売却について、ETFや伝統的投資家を含む米国機関投資家への供給移転の一環だと説明する。
同氏は、この所有者の入れ替わりは、短期的には相場の重しとなる一方で、長期的な需要を強める可能性があるとみている。市場は、初期の「サイファーパンク」的な保有者から、より制度化された投資家層へと移りつつある、というわけだ。
それでも「構造的には底堅い」との声も
資金流出が続くなかでも、スタンダードチャータードのデジタル資産リサーチ責任者、ジェフリー・ケンドリック氏は、木曜日にコインテレグラフへ送ったコメントで、ビットコインETFの保有量は2月以降おおむね安定していると指摘した。
相場の変動にもかかわらず、ETF市場には従来想定されていた以上の構造的な耐性がある、という見方だ。
一方でケンドリック氏は、最近の企業による売却が短期的な弱気シナリオを補強しているとも述べた。とりわけ、ストラテジーによる32BTCの売却については、「DAT懐疑派の主張に合致するものだった」と指摘する。
ビットコインがすでに売り圧力にさらされていた局面だけに、そのタイミングは不運だった、というわけだ。

