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Nate KostarライターRobert Lakin監修編集者

ナスダック上場企業が「イーサリアム爆買い」

最新ニュース公開日2026年5月29日

CoinGeckoのデータによると、今回の買収により、ナスダック上場企業はCoinbase Globalを抜き、イーサリアムを保有する上場企業の中で4番目に大きな企業となった。

米ナスダック上場のビットデジタルが、暗号資産市場で大胆な一手に出た。

同社は木曜日、今月11日に暗号資産イーサリアムを8568ETH取得したと発表した。取得額は2000万ドル、円換算で約31億8600万円。平均取得価格は1ETHあたり2334.25ドル、約37万1800円だった。

これにより、同社のイーサリアム保有量は約15万8462ETHに拡大した。

ビットデジタルのサム・タバーCEOは、今回の購入について「イーサリアムの平均取得単価を引き下げるもの」と説明。さらに、イーサリアムの蓄積、AIインフラ、企業買収を組み合わせることで、1株あたりの純資産価値を高める戦略の一環だと強調した。

同社はもともと、イーサリアムの財務運用に加え、AIや高性能計算インフラ、戦略的買収を事業の柱に据えている。傘下のホワイトファイバーは、ナスダックに「WYFI」のティッカーで上場している。

Top 5 Ethereum treasury companies. Source: CoinGecko

コインベース超えで「世界4位」に浮上か

注目すべきは、その保有規模だ。

コインゲッコーのデータによれば、ビットデジタルがこれまで公表していたイーサリアム保有量は約14万8ETH。これは、約15万1175ETHを保有するコインベース・グローバルを下回っていた。

しかし今回の追加取得により、ビットデジタルの保有量はコインベースを上回る計算になる。公開企業としては、世界4位のイーサリアム保有企業に浮上することになる。

株式市場も、この動きに反応している。同社株は水曜日に2.03ドル、約323円で取引を終えた。ヤフー・ファイナンスによると、過去1カ月では約35.5%上昇している。

Source: Yahoo Finance

価格は低迷、それでも「イーサリアムの実力」は衰えず

もっとも、足元のイーサリアム価格は冴えない。

執筆時点でETHは約2013ドル、約32万600円で取引されていた。年初来では約32%下落。2025年8月につけた過去最高値付近の4946ドル、約78万7800円からは、実に約60%も値を下げている。

だが、価格下落の裏側で、イーサリアムのネットワークそのものは依然として強いとの見方もある。

スタンダードチャータードは木曜日のリポートで、ETH価格が2025年高値から50%以上下落しているにもかかわらず、イーサリアムの取引活動や総預かり資産、いわゆるTVLは過去最高水準に近いと指摘した。

同社の暗号資産調査グローバル責任者、ジェフ・ケンドリック氏は、ETH価格について2026年末に4000ドル、約63万7100円、2030年には4万ドル、約637万1400円に達するとの見方を改めて示している。

その根拠とされるのが、ステーブルコインや現実資産のトークン化だ。これらの利用がイーサリアム上で拡大すれば、現在広がっている「ネットワーク利用」と「ETH価格」の乖離はいずれ縮まる、というわけだ。

企業による“イーサリアム備蓄競争”が始まった

ビットデジタルだけではない。

公開企業の間では、イーサリアムを財務資産として保有する動きがじわじわと広がっている。

ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズは火曜日、11万1942ETHを追加取得したと発表した。今年最大の購入だ。

同社のトム・リー会長は、トークン化やAIエージェントによって暗号資産市場に「スーパーサイクル」が訪れる可能性があるとし、その恩恵をイーサリアムが受けるとみている。

コインゲッコーのデータによれば、ビットマイン・イマージョンは現在、公開企業として最大のイーサリアム保有企業だ。その保有量は539万ETHを超える。

Source: CoinGecko

ただし、強気一辺倒ではない

一方で、イーサリアムへの楽観論に冷や水を浴びせる声もある。

暗号資産メディア「バンクレス」の共同創業者デービッド・ホフマン氏は今週、保有していたETHの残りを売却したと明かした。理由は、「ETHはマネーである」という投資テーマが、すでにおおむね役割を終えたと判断したためだという。

ホフマン氏は、イーサリアムのネットワーク自体は今後もステーブルコイン、トークン化、レイヤー2を通じて成長する可能性があると認めている。

ただし、その成長がETHそのものの価値に十分還元されるかは別問題だ、というのが同氏の見立てだ。

企業が買い集めるイーサリアムは、次の成長資産なのか。それとも、ネットワークの繁栄とは切り離された“期待先行の財務戦略”なのか。

ビットデジタルの31億円超の追加購入は、その問いを市場に突きつけている。

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