
アーサー・ヘイズ氏、HYPEとNEARを売却 AI大型IPOで暗号資産市場から資金流出か
ビットメックス共同創業者のアーサー・ヘイズ氏が、ハイパーリキッド(HYPE)とニア・プロトコル(NEAR)の保有分を売却したと明らかにした。つい最近まで、両銘柄に強気の価格目標を掲げていた男の、急転直下の“手仕舞い”である。

ビットメックス共同創業者のアーサー・ヘイズ氏が、ハイパーリキッド(HYPE)とニア・プロトコル(NEAR)の保有分を売却したと明らかにした。つい最近まで、両銘柄に強気の価格目標を掲げていた男の、急転直下の“手仕舞い”である。
ヘイズ氏が理由に挙げたのは、中東紛争の継続によるエネルギー価格の上昇、2026年第3四半期までに予定される3つの「メガAI IPO」、そしてドナルド・トランプ米大統領が中間選挙で共和党を勝たせるために「反AI」に転じるとの見立てだった。
ヘイズ氏は木曜日、Xへの投稿でこう書いた。
「市場の高値は、今から9月までの間につけると思う」
そして、こう続けた。
「利益確定の時だ」
この売却は、ヘイズ氏にとって大きな方針転換を意味する。彼はこれまで、HYPEとNEARの双方にかなり強気な見通しを示していた。HYPEについては8月までに150ドル、NEARについては2027年までに20倍になる可能性があると予測していたのである。
ブロックチェーンデータプラットフォームのオンチェーン・レンズによれば、ヘイズ氏は24万7334枚のHYPEを約1800万ドル、日本円にして約28億8000万円で売却した。NEARについては売却数量は不明だという。
しかもこの売却は、ヘイズ氏がマルチコイン・キャピタル共同創業者のカイル・サマニ氏に対し、10万ドル、日本円で約1600万円のチャリティー賭けを持ちかけた直後の出来事だった。ヘイズ氏はその賭けで、2026年末までにHYPEが時価総額上位10位以内のすべての暗号資産を上回るパフォーマンスを見せると主張していた。

Source: Arthur Hayes
ところが、現実の相場は冷ややかだった。トレーディングビューのデータによれば、過去24時間でHYPEは8.4%下落し65ドル、約1万400円に。NEARは17.4%下落し2.34ドル、約374円まで売られた。

HYPE and NEAR, one-month chart. Source: Cointelegraph/TradingView
AI大型IPOは、暗号資産市場から資金を奪うのか
ヘイズ氏の売却は、投資家が待ち望む3つのAI関連企業の新規株式公開、すなわちIPOを前にしたものでもある。対象とされるのは、チャットGPTを手がけるオープンAI、アンソロピック、そしてイーロン・マスク氏率いるスペースXだ。
スペースXについては、4月上旬に非公開でIPOを申請したと報じられている。匿名の関係者によれば、IPOは早ければ6月にも完了する可能性があるという。スペースXは5月、6月12日の上場を目指す手続きの一環として、S-1登録届出書を提出したとされる。
一方、アンソロピックはIPOの主幹事として、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースを選定したと報じられている。ブルームバーグは水曜日、事情に詳しい関係者の話として、同社が早ければ10月にも上場する可能性を検討していると伝えた。

OpenAI IPO on prediction market by odds. Source: Polymarket.com
オープンAIもまた、非公開でのIPO申請に向けた準備を進めているとされる。ロイターは5月20日、同社が早ければ9月にも上場する可能性があると報じている。
もっとも、その時期はなお不透明だ。予測市場ポリマーケットのデータでは、トレーダーの74%がオープンAIのIPOは12月31日までに実現すると見ている。一方で、9月30日までに実現すると予想する割合は35%にとどまっている。
それでも、業界関係者の一部は警戒を強めている。AI企業の大型IPOに投資家の関心が集中すれば、ビットコインをはじめとする暗号資産市場から流動性が吸い上げられる可能性があるからだ。ヘイズ氏の今回の売却は、まさにその“資金移動”を先読みした動きにも見える。元記事でも、ヘイズ氏が中東情勢、AI大型IPO、米政治リスクを売却理由に挙げたと報じられている。

