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Nate KostarライターSam Bourgi監修ライター

TRXを預けて報酬ゲット 米暗号資産大手アンカレッジ、機関投資家向けステーキング開始

最新ニュース公開日2026年7月14日

米暗号資産銀行アンカレッジ・デジタルが、機関投資家向けにTRXのネイティブ・ステーキングを開始した。約14兆6000億円ものUSDTが流通する巨大ネットワーク「トロン」を舞台に、金融機関による“暗号資産で利回りを稼ぐ”競争が一気に加速している。

暗号資産カストディ企業のアンカレッジ・デジタルは、機関投資家向けにTRXのネイティブ・ステーキング機能を追加した。規制に対応したステーキングサービスへの需要が高まるなか、トロン・ブロックチェーンへの対応をさらに拡大する。

アンカレッジは2026年初め、トロンのネイティブトークンであるTRXの機関投資家向けカストディサービスを導入していた。今回の機能追加により、顧客は同社のカストディプラットフォーム、またはセルフカストディウォレット「ポルト」から直接TRXをステーキングできる。

つまり、資産を既存の保管環境から外部へ移すことなく、ブロックチェーンの安全性維持に参加し、その見返りとしてプロトコル報酬を受け取れるようになったというわけだ。

アンカレッジは今回のサービス拡大について、機関投資家の間でトロン・エコシステムへの関心が高まっていることを反映したものだと説明している。

トロンは、米ドル連動型ステーブルコイン「テザー(USDT)」の決済ネットワークとして、世界最大級の規模を誇る。

アンカレッジによれば、トロン上では2026年第1四半期だけで約2兆ドル、円換算で実に約324兆円相当のUSDT送金が処理された。1日平均の取引件数は1090万件、アクティブアドレス数は320万件に達したという。

さらにテザーの透明性データによると、現在トロン上で流通しているUSDTは約900億ドル。円換算では約14兆6000億円に上る

今回のトロン対応は、アンカレッジが進めてきた機関投資家向けステーキング事業拡大の延長線上にある。

同社は2025年11月、ステーキングインフラ企業フィグメントと提携し、暗号資産取引所ハイパーリキッドの独自トークン「HYPE」のステーキングに対応。カストディと一体化したステーキングサービスを、ハイパーリキッドのエコシステムにも広げていた。

「保管するだけ」では儲からない――機関投資家向けサービスが大変貌

機関投資家向けの暗号資産インフラ企業は、もはや資産を安全に預かるだけでは満足できなくなっている。

投資家が規制に対応した方法で暗号資産から収益を得ようとするなか、各社はカストディサービスにステーキング機能を次々と追加している。

2025年10月には、コインベースとフィグメントが機関投資家向けステーキング分野での提携を拡大した。

これにより、コインベース・プライムの顧客は、ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)、スイ(SUI)、アプトス(APT)などのプルーフ・オブ・ステーク型暗号資産を、カストディ環境から直接ステーキングできるようになった。

その4カ月後には、リップルがフィグメントとスイスのセキュロシスを自社の機関投資家向けカストディプラットフォームに統合した。

これにより、銀行やカストディ事業者は、自前でバリデーター用のインフラを運営しなくても、顧客にステーキングサービスを提供できるようになった。

資産運用会社も、カストディとステーキングを一体化したサービスに熱視線を送っている。

2026年2月、ビットゴーは資産運用会社21シェアーズとの提携を拡大。米国と欧州の規制対象法人を通じて、同社の米国上場投資信託(ETF)や世界各地の上場取引型金融商品(ETP)に、規制対応のカストディおよびステーキングサービスを提供すると発表した。

企業の暗号資産準備金も「寝かせるだけ」から卒業

この波に乗っているのは、金融機関や資産運用会社だけではない。大量の暗号資産を保有する企業の財務部門も、ステーキングへの参入を始めている。

ビットマインは2026年3月、独自のステーキングプラットフォーム「MAVAN」を立ち上げた。

当初は、自社が保有するイーサ(ETH)を運用するためにバリデーターインフラを構築していたが、その後、外部の機関投資家やカストディ事業者にもサービスを開放した。

ビットマインは月曜日、保有するETHが577万ETHに達したと発表した。これはイーサの総供給量の約4.8%に相当する。

そのうち、MAVANなどを通じてステーキングされているのは492万ETH。発表時の評価額では約90億ドル、円換算で約1兆4600億円に達する。

暗号資産を金庫に入れて眺めているだけの時代は、終わりつつある。

アンカレッジによるTRXステーキング対応は、機関投資家が「安全に保管する」段階から、「規制の枠内で運用し、利回りを稼ぐ」段階へ踏み込んだことを象徴する動きといえそうだ。

Top Ethereum treasury companies. Source: CoinGecko

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