
ストラテジー、ビットコインには手を付けず株を売却 約758億円を調達、現金は4872億円に膨張
世界最大の企業ビットコイン保有者ストラテジーが、MSTR株480万株を売却し、約758億円を調達した。84万3775BTCは維持したものの、前週には配当原資の確保を目的に3588BTCを売却。手元の米ドル準備金は約4872億円まで膨らんでいる。

企業として世界最大のビットコイン保有量を誇るストラテジーが、先週、ATMと呼ばれる市場価格での株式売却プログラムを通じて、MSTR株を売却し、新たな資金を調達した。
一方で、同社が金庫に抱えるビットコインについては、1枚も売買しなかった。
ストラテジーが米証券取引委員会(SEC)に提出した8-K報告書によると、同社は7月6日から12日までの間に、クラスA普通株式480万株を売却。4億6670万ドル、約758億円を調達した。
この期間中、ビットコインの購入も売却も行っていない。同社の保有量は84万3775BTCで変わらず、1BTC当たりの平均取得価格は7万5476ドル、約1226万円となっている。
市場関係者が注視しているのは、ストラテジーが今後、自社株の発行、ビットコインの買い増し、そして急拡大する優先株の発行を、どのように両立させるのかという点だ。
同社はビットコインを中心とした企業戦略をさらに拡大しているが、その裏側では、配当や利払いに必要な現金を確保し続けなければならない。
ナスダック市場が開く前の時間外取引で、MSTR株は約3%安の91.80ドル、約1万4900円で推移していた。
ビットコインも約6万2580ドル、約1016万円まで下落し、24時間で2%超値を下げていた。
手元資金は約4872億円に急増
ストラテジーは7月12日時点で、米ドル準備金を30億ドル、約4872億円まで積み上げた。
前週時点では25億5000万ドル、約4141億円だったため、わずか1週間で約731億円増えた計算になる。
この現金は、同社が発行する優先株への配当や、既存の債務に対する利払いに充てられる。
準備金には、ATMプログラムを通じて売却したMSTR株のうち、報告日時点ではまだ決済が完了していなかった分の代金も含まれている。
ストラテジーのMSTR株ATMプログラムには、なお238億ドル、約3兆8651億円の売却余力が残されている。
この中には、同社が3月23日に発表した新たな210億ドル、約3兆4104億円規模の株式売却枠も含まれる。
同社は、現在使用している既存の売却枠をほぼ使い切った段階で、追加枠を利用した株式売却を開始する可能性があるとしている。

Source: SEC
先週はビットコイン3588枚を売却
今回、保有ビットコインには手を付けなかったストラテジーだが、前週には3588BTCを約2億1600万ドル、約351億円で売却していた。
目的は、米ドル準備金を補充し、優先株の配当原資を確保するためだった。
具体的には、6月29日から30日にかけて1363BTCを、1BTC当たり平均5万9256ドル、約962万円で売却。
続いて7月1日から5日までの間に、2225BTCを平均6万773ドル、約987万円で売却した。
ストラテジーは同じSEC提出書類の中で、ビットコインの新規購入を行っていないことも明らかにしている。
その一方で、ATMプログラムを使ってMSTR株1270万株を売却し、手取りで11億5000万ドル、約1868億円を確保していた。
つまりストラテジーは、ビットコインを売るだけでなく、自社株も次々と市場に流し込み、現金をかき集めている。
STRCの配当を月2回に変更
ストラテジーが現金準備を急いでいる背景には、STRC優先株の配当スケジュール変更もある。
同社は水曜日、STRC保有者に対して、初めてとなる月2回の配当支払いを実施する予定だ。
6月8日に発表された新スケジュールでは、毎月15日と月末を権利確定日とし、次の権利確定日に配当を支払う仕組みとなる。
最初の月2回配当に向けた権利確定日は2026年6月30日で、第1回の支払日は7月15日に設定された。
ビットコインを大量保有する企業として知られるストラテジーだが、その経営は、ビットコイン価格だけで成り立っているわけではない。
株式を発行し、優先株を売り、必要とあればビットコインも売却する。
84万BTC超という巨大な金庫を守るため、同社はその外側で、莫大な現金を回し続けている。

