
銀行送金はもう古い?企業の42%がステーブルコインで国際送金
調査対象企業の大半が今後12カ月以内にステーブルコインを利用する可能性が高いと回答した。一方で、より広範な普及に向けた最大の壁として、依然として規制の明確化が挙げられている。

決済インフラ企業サイブリッドの新たな報告書によれば、ステーブルコインの企業利用は今後12カ月で急拡大する見通しだ。デジタル通貨の導入が、いよいよメインストリームに入りつつあるという。
同報告書によると、調査対象となった企業の42%が、すでにステーブルコインを国際送金に利用している。また回答者の88%が、今後12カ月以内にステーブルコインを「利用する可能性が高い」または「非常に高い」と答えた。一方で、従来型の決済レールを継続的に利用していると答えたのは、わずか2%にとどまった。
ステーブルコインを利用している企業は、国際送金コストを平均35%削減できたと報告している。さらに、月間決済額が1億ドル(約163億円)を超える企業では、平均で最大47%のコスト削減につながったという。

Source: Cybrid report
コインゲッコーのデータによれば、世界のステーブルコイン時価総額は現在3076億4000万ドル(約50兆円)に達している。その先頭を走るのはテザーのUSDTで、時価総額は1847億ドル(約30兆円)。次いでサークルのUSDCが735億1000万ドル(約12兆円)となっている。
最近の法整備を追い風に、米国の「GENIUS法」に準拠したステーブルコインの時価総額は760億ドル(約12兆4000億円)を突破した。同法は、米国における決済用ステーブルコインについて、初の連邦レベルの規制枠組みを定めたものだ。
今回の報告書は、4月28日から5月4日にかけて実施された、経営幹部およびビジネスリーダー468人への調査に基づいている。
利用企業が求めるのは「規制の明確化」
回答者の間で最も多かったステーブルコインの用途は、給与や業務委託先への支払いだった。これに続いたのが、サプライヤーへの支払い、顧客からの支払い、投資および利回り獲得、ベンダーへの支払い、そして財務・流動性管理である。
ステーブルコイン利用をさらに拡大する上で、企業側が自信を持つための重要要素として挙げたのも、規制の明確化だった。回答者の71%が、信頼できるインフラ事業者の存在や既存システムとの連携よりも、規制の明確さを重視すると答えている。
回答者は、米国、カナダ、英国のテクノロジー、金融サービス、Eコマース分野の企業に所属する人々だ。Cスイートの経営幹部、財務・トレジャリー担当者、決済・オペレーション部門の責任者などが含まれている。
企業各社、ステーブルコイン決済インフラを拡充
別の業界データも、同じ潮流を示している。決済インフラ企業ペイビスは6月、2026年1〜4月に同社プラットフォームで処理されたステーブルコインの払い出し額のうち、企業顧客が占める割合がほぼ98%に達したと発表した。2023年時点では、この比率は36%だった。
ペイビスはまた、マッキンゼーの調査を引用し、2025年に記録された世界のステーブルコイン決済額3900億ドル(約63兆5000億円)のうち、企業間取引が約60%を占めたと説明している。
企業需要の高まりを受け、各社はインフラ整備を進めている。5月には、ファルコン・ファイナンスが、アンカレッジ・デジタル・バンクの連邦規制下にある発行プラットフォームを通じて、ドル裏付け型ステーブルコイン「fUSD」を発表した。機関投資家向けの取引、担保、トレジャリー業務での利用を狙ったものだ。
さらに月曜日には、BNYがデジタル資産カストディ・プラットフォームを拡張し、サークルのUSDCに対応した。これにより、機関投資家の顧客は同銀行を通じて、USDCの保管、送金、発行、償還を直接行えるようになった。

Source: DefiLlama

