
イーサリアムは暴落寸前か 8年眠った古参ウォレットが3万7806ETHを放出、クジラも含み損地獄に
8年眠っていたイーサリアムの古参ウォレットが3万7806ETHを移動した。長期保有クジラの損益は2019年以来初めてマイナスに転落し、大口投資家のあいだで強弱感が割れている。

8年間、沈黙を守っていたイーサリアムの古参ウォレットが、ついに動き出した。
2017年以来、まったく動きのなかったイーサリアム(ETH)ウォレット群が、ここへきて初めて資金を移動させたのだ。イーサリアム価格が1500ドル、日本円で約24万3000円の節目近辺で推移するなか、オンチェーンデータによれば、長期休眠アドレスから3万7806ETHが動き出した。
一方で、別の大口投資家、いわゆる「クジラ」たちは、なおも買い集めを続けている。売りと買いが交錯する、なんとも不穏な相場模様である。
古参クジラは売却、別のクジラは買い増し
ルックオンチェーンによれば、約8年前に合計3万7602ETHを受け取っていた4つのイーサリアムウォレットが、長い眠りから目を覚ました。取得価格は平均830ドル、現在のレートで約13万4000円だった。
これらのウォレットは、2021年、そして2025年の強気相場を通じても売らずに保有を続けていた。含み益は一時、1億5000万ドル、約243億円を超えていたという。
しかし木曜日、ついに3万3623ETHを売却。売却額は約5250万ドル、約84億9000万円。売却価格は1ETHあたり約1560ドル、約25万2000円だった。実現利益は約2740万ドル、約44億3000万円にのぼる。
眠れる古参がついに利確へ動いた――。市場にとっては、決して小さくない売り圧力である。

OG ETH wallets holding period. Source: Lookonchain/X
ただし、イーサリアム市場から大口勢が一斉退散しているわけではない。
ブロックチェーン追跡サービスのルックオンチェーンは、あるクジラが464BTC、約2760万ドル相当、約44億6000万円を17,750ETHに交換したと報告している。ビットコインからイーサリアムへの資金移動、つまり「資本のローテーション」が起きている格好だ。
さらに投資家のチュン・ワン氏も、追加で9937ETHと147ラップドビットコインを取得した。過去1カ月で同氏は、バイナンスから約8万7000ETHを引き出している。平均取得価格は1749ドル、約28万3000円だった。
機関投資家の動きも活発だ。ブラックロックは、4万1996ETHと4577BTCをコインベース・プライムへ移管した。ただし、これは保管や運用管理に伴う移動とみられるものであり、市場売却が確認されたわけではない。
すべての主要クジラが「含み損」に沈む
暗号資産アナリストのダークフォスト氏は、1000ETHから10万ETH超を保有するすべての主要クジラ層が、未実現損益比率でマイナスに沈んでいると指摘した。
これは2019年以来、初めての事態だという。
要するに、イーサリアムの大口保有者は、そろって含み損を抱えているということである。かつて強気相場の象徴だったクジラたちが、いまや耐久戦を強いられている。
同氏によれば、過去にもイーサリアム価格がクジラの信念を試す局面はあった。そしてそうした局面は、しばしば長期的な底値圏と重なってきた。
今回も同じ道をたどるのか。それとも、今回は違うのか。

ETH whales' unrealized profit ratio. Source: X
2026年のイーサリアム市場では、大口保有者への圧力がかつてないほど高まっている。それでも一部では、選別的な買い集めが続いている。
1500ドルの防衛線に市場の視線
木曜日の売り局面で、イーサリアムは1510ドル、約24万4000円まで下落した。ただし、ビットコインが2026年の新安値をつけるなかでも、イーサリアムは年初来安値の更新を辛うじて回避した。
暗号資産トレーダーのアルディ氏は、1500ドルをイーサリアムの長期的な重要サポートと位置づけている。日足終値でこの水準を下回るようなら、2022年の弱気相場以降に積み上げられてきた強気シナリオが揺らぐ、という見立てだ。

Ether/USD, one-week chart. Source: Ardi/X
暗号資産投資家のジェル氏も、同様の見方を示している。1500ドルを明確に割り込めば、イーサリアムは2023年初頭以来のレンジ相場に逆戻りする可能性があるという。
週足チャートを見れば、ETHは2022年半ば以降、複数の大きな調整局面で1500ドル近辺を守ってきた。この水準は、アルトコイン市場における最も長く意識されてきた防衛線のひとつである。
さらなる下落なら1070〜1370ドルが焦点に
もっとも、市場参加者の全員が、短期的な反発を見込んでいるわけではない。
人気トレーダーのサイクロプス氏は、1070〜1370ドル、日本円で約17万3000〜22万2000円のレンジを、次の蓄積ゾーン候補として挙げている。2023年初頭に形成された重要な需要帯だという。
仮にイーサリアムがこの価格帯まで下落すれば、数年にわたる上昇トレンドラインを割り込むことにもなる。そうなれば、持続的な回復はさらに遠のき、弱気相場の構造が一段と強まる可能性がある。
古参ウォレットの利確、含み損に沈むクジラ、そして1500ドルの攻防。
イーサリアム市場はいま、大口投資家の「握力」が本物かどうかを試す、重大な局面に差しかかっている。

ETH/USD, one-week chart. Source: Cointelegraph/TradingView

