
XRP暴落寸前、1ドル割れ目前でも大口投資家が買い集めるワケ
XRPは、1ドルを下回って日足を終える可能性が高まりつつある。だが、大口投資家による買い集めと、取引所に置かれた供給量の減少は、トレーダーたちがこの下落局面で買いに動いている兆候かもしれない。

XRPは現在、1ドル、日本円にして約162円をわずかに上回る水準で取引されている。今年に入ってから最も弱い価格帯だ。だが、オンチェーンデータをのぞくと、相場の表情は少し違って見える。
取引所に置かれているXRPの供給量は減少を続けている。バイナンスでは、出金が入金を7日連続で上回った。大口投資家、いわゆる「クジラ」の資金フローもプラス圏を維持している。さらに、現物XRP上場投資信託(ETF)には4月以降、2億4300万ドル、日本円で約393億円の資金が流入している。
XRPはなお価格の底を探る展開にある。だが、改善するオンチェーンデータは、ネットワークの需給環境が健全さを保っていることを示している。
取引所のXRP供給量は減少続く
暗号資産アナリストのアムル・タハ氏によると、バイナンスのXRP準備高は、過去1カ月で約1億XRPが流出したことを受け、3月以来の低水準に落ち込んだ。バイナンスの保有残高は、5月12日時点の27億8000万XRPから、6月25日には約26億8000万XRPまで減少した。主要取引所の中で、絶対額ベースでは最大の流出となった。

XRP multi-exchange daily reserve. Source: CryptoQuant
他の取引所でも小幅な減少が見られた。アップビットの準備高は、5月31日の25億1000万XRPから6月25日には24億8000万XRPに減少。バイビットの保有量も、6月2日の9200万XRPから8200万XRPに減った。流出額そのものではバイナンスが最大だった一方、減少率ではバイビットが最も大きかった。
タハ氏は、バイナンス上の取引動向にも大きな変化があると指摘した。XRPの出金件数は6月17日以降、7日連続で入金件数を上回っている。7日間ベースの出金比率は6月23日に53.8%まで上昇し、2024年6月以来の高水準となった。一方、入金比率は46.1%に低下し、2024年以来の低水準となった。

XRP daily deposit/withdrawal transactions (%) on Binance. Source: CryptoQuant
この指標が追っているのはXRPの数量ではなく、取引件数である。つまり、ユーザーがバイナンスへXRPを送り込むよりも、バイナンスから外へ移す動きの方が頻繁になっているということだ。出金優勢の状態がこれほど続くのは、およそ1年ぶりとなる。
この流れを支えているのが、大口保有者の動きだ。XRPのクジラフローは、90日移動平均で四半期を通じてプラス圏を維持している。1日あたり514万3000XRPの純流入となっており、大口ウォレットが売り配るのではなく、継続的に積み増していることを示している。

XRP whale flows. Source: CryptoQuant
機関投資家の需要も下支え要因となっている。現物XRP ETFは6月24日に200万ドル、日本円で約3億2000万円の純流入を記録した記録した。これにより、6月の純流入額は3100万ドル、約50億円に達した。4月以降の累計流入額は2億4300万ドル、約393億円に上っている。
XRP価格、重要な需要帯に接近
テクニカル面から見ると、より長い時間軸での市場構造は、なお弱気のままだ。XRPは木曜日に1.01ドル、約163円をつけ、2026年の最安値を更新した。1ドルを下回れば、2024年11月以来のことになる。年初来では43%下落している。

XRP/USDT, one-week chart. Source: Cointelegraph/TradingView
次に注目される価格帯は、1ドルから0.63ドル、日本円で約162円から約102円にかけての「フェアバリューギャップ」だ。これは2024年後半の急騰時に生まれた、まだ埋められていない価格の空白地帯であり、今後数週間で下落が続く場合、買い需要を呼び込む可能性がある。
ブラック・スワン・キャピタリスト創業者のバーサン・アルジャラー氏は、引き続き長期チャートに注目している。同氏によれば、XRPは長年にわたり、週足と月足の双方で安値を切り上げながら、大きな蓄積レンジを形成してきたという。

XRP/USD, one-month chart analysis by Versan Aljarrah. Source: X
アルジャラー氏は、長期にわたる持ち合いは、いったん価格がレンジを上抜けた際に、より強いブレイクアウトにつながりやすいと主張する。同氏の目標価格は10ドル、日本円で約1616円。現在価格から見れば、約900%の上昇を意味する水準だ。
ただし、相場はまだ底を打ったとは言い切れない。1ドル割れのリスクはじわりと高まっている。それでも、取引所残高の減少、クジラの積み増し、ETFへの資金流入という三つの材料は、XRP市場にまだ消えていない買い手の存在を映し出している。

