
HYPE「80ドル突破」は秒読みか ハイパーリキッドに機関投資家マネー流入
HYPEデリバティブ市場には強弱入り混じるシグナルが出ているが、ハイパーリキッドのトラッドファイ無期限先物の急成長を踏まえれば、HYPEが80ドル(約1万2822円)へ向かう展開は一段と現実味を帯びている。

ハイパーリキッドのネイティブトークンであるHYPEは、5日間で44%急騰し、火曜日には76.90ドル(約1万2325円)の過去最高値をつけた。
その後、価格は73ドル(約1万1700円)まで押し戻されたものの、HYPE先物の未決済建玉は30億ドル(約4808億円)に到達。機関投資家の需要が膨らんでいることをうかがわせる動きとなっている。
暗号資産市場が弱気相場に沈むなかでも、ハイパーリキッドの分散型取引所(DEX)の取引高には衰えが見えない。市場関係者の視線は、HYPEがさらに上昇し、80ドル(約1万2822円)を突破できるのかに集まっている。

HYPE futures aggregate open interest, USD. Source: CoinGlass
HYPE先物の未決済建玉は、1週間前から32%増加した。ディファイラマのデータによれば、ハイパーリキッドDEXは無期限先物の取引高で53%の市場シェアを握っている。これに続くのがバイナンスの14%、バイビットの9%、ビットゲットの8%だ。
HYPE先物への需要が明らかに高まっている一方で、今回の価格上昇が過剰なレバレッジによって膨らんだものなのかは、検証に値する。

HYPE perpetual futures annualized funding rate. Source: Laevitas
HYPE無期限先物の資金調達率は、過去1週間にわたり中立水準とされる6%を下回ったままだ。これは、強気方向のレバレッジ需要が弱いことを示している。
それにもかかわらず、同期間にHYPE先物の未決済建玉は増加した。つまり、価格上昇で損失を抱えながらも、ショート勢がむしろポジションを積み増している可能性がある。現在ロックされているトークンを保有する中核貢献者たちが、保有分の一部をヘッジしている可能性もある。
HYPE熱狂の裏にある評価額への懸念と希薄化リスク
HYPEの流通供給量は火曜日時点で2億5341万枚。一方、最大供給量は9億5392万枚に達している。これはコインマーケットキャップのデータによるものだ。
つまり、現在の保有者がどれほど早く希薄化に直面するかは別として、プロジェクトの完全希薄化後評価額(FDV)は713億ドル(約11兆4273億円)に達する計算になる。
比較対象として、収益性の高い金融企業であるエーオン(AON)の時価総額は700億ドル(約11兆2189億円)だった。暗号資産プロジェクトとしての期待値が、すでに巨大金融企業並みに織り込まれているというわけだ。

Hyperliquid perpetuals ranking by open interest, USD. Source: Hyperliquid
ハイパーリキッドは、暗号資産市場の弱気相場をうまくかわしてきた。その理由のひとつが、伝統金融、いわゆるトラッドファイ関連の無期限先物を投入したことにある。
対象には、S&P500、ナスダック100、原油、スペースX、マイクロン、金、銀、グーグルなどが含まれる。トラッドファイ契約の未決済建玉は29億ドル(約4648億円)を超え、ビットコインの20億ドル(約3205億円)を大きく上回った。

過去6カ月で、分散型取引所全体の取引高は57%減少している。それを考えれば、ハイパーリキッドは96億ドル(約1兆5386億円)の取引活動を記録する、明らかな例外的存在だ。
無期限先物取引に限れば、ハイパーリキッドの市場シェアは38%。これに近づくプロトコルはほかに見当たらない。スペースX株のプレIPO取引もまた、同取引所の絶え間ない革新性と、より広い投資家層への訴求力を際立たせている。

Source: X/EricSRosengren
ハイパーリキッドの快進撃には、元ボストン連銀総裁のエリック・ローゼングレンも注目している。さらに、金融分析会社シトリーニ・リサーチからは極めて強気なレポートも出ている。
加えて、HYPEの上場投資信託(ETF)には、ローンチ以降で2億800万ドル(約333億円)が集まっており、機関投資家の関心の強さを示している。
総じて見れば、HYPEが80ドルまで上昇する展開は、決して手の届かない話ではない。ハイパーリキッドの収益力、そして現実資産(RWA)取引における成長余地を考えれば、なおさらだ。

