
イーサリアムはまだ下がる?取引所にETH流入、先物も冷え込み売り圧力強まる
取引所への流入増、需要の失速、そしてイーサ先物の未決済建玉が31%減少したことは、ETHにもう一段の売り波が押し寄せる可能性を示している。

イーサリアム(ETH)をめぐる市場の空気が、ここ1カ月でにわかに冷え込んでいる。
バイナンスには、差し引きで5万7700ETHが流入した。一方、先物の未決済建玉は150億ドル(約2兆4200億円)から103億ドル(約1兆6600億円)へと減少。レバレッジをかけたポジションの比率も、6月初旬の高水準から急低下した。
取引所に積み上がる売却予備軍。新規資金の鈍さ。そして、先物市場から引いていく投機マネー。こうした材料が重なり、ETHアナリストの間では「1700ドル(約27万4000円)を下回る水準で、もう一段の売り圧力が来る」との見方が浮上している。
バイナンスへのETH流入、新規需要を上回る
暗号資産アナリストのペリン・アイ氏は、ここ数日でおよそ5万7700ETHがバイナンスに差し引きで流入したと指摘した。バイナンスは暗号資産市場でも流動性の高い取引所のひとつであり、大口の流入はしばしば「売りの準備」と受け止められる。

ETH exchange inflows, new depositors and fresh supply. Source: CryptoQuant
一方で、ETHの新規入金者数は約320アドレスにとどまっている。過去に需要が急増した局面と比べると、かなり低い水準だ。
つまり、新しい資金が市場に入ってきている気配は薄い。足元の価格安定は、新規買いではなく、既存保有者の踏ん張りに依存している構図である。
ただし、供給面では一定の下支えもある。アイ氏によれば、ETHの日次発行量は約2791ETH。2021年のイーサリアム大型アップグレード「EIP-1559」以降では、比較的低い水準だという。
それでも、取引所フローのデータが示す景色は慎重そのものだ。アイ氏は、純流入が高止まりしている以上、ETHが自律反発で上値抵抗線に近づいた場合、再び売りが噴き出すリスクがあるとみている。
ETH価格は週足の需要ゾーンを守れるか
デリバティブ市場の熱も、ここ数週間で急速に冷めた。
ETH先物の未決済建玉は、1カ月前の150億ドル(約2兆4200億円)から、木曜日には103億ドル(約1兆6600億円)まで減少した。下落率は約31%。取引所全体で見た未決済建玉としては、2025年4月以来の低水準である。

Ether estimated leverage ratio for all exchanges. Source: CryptoQuant
レバレッジをかけたポジション数も、同じようなペースで縮小している。推定レバレッジ比率(ELR)は、6月2日に過去最高の1.10をつけたあと、0.83まで低下した。これは、同指標が0.72から0.56へ下がった2025年10月以来、最大規模のレバレッジ解消である。
レバレッジの低下は、短期的な値動きの荒さや投機的な買いを抑える効果がある。だが同時に、トレーダーの確信が弱まっているサインでもある。

ETH/USDT, one-week chart analysis. Source: Cointelegraph/TradingView
ETHの週足チャートを見ると、直近42日間で30%下落しており、現在は1700ドル(約27万4000円)から1400ドル(約22万6000円)の需要ゾーン付近で推移している。
価格下落が続く場合、次に意識される外部流動性の目標は、2025年4月につけた安値の1384ドル(約22万3000円)だ。
その下では、2023年1月につけた1289ドル(約20万8000円)から1071ドル(約17万3000円)の需要ゾーンが、次の注目エリアとなる。
一方で、市場の見方は弱気一色というわけでもない。暗号資産トレーダーのアルディ氏は先週、ETHにはテクニカル上の底打ちシグナルも一部出始めていると述べた。
ETHは最近、長期的な受け入れレンジの下限に接触した。この水準は、過去にマクロ的な安値と重なったことがある。
さらに、週足の相対力指数(RSI)は31付近にある。直近の急落時には日足RSIが11まで低下し、過去最低水準を記録した。こうした売られすぎの状態は、ETHが現在の価格帯で底を打つ可能性を高めている。

ETH/USD weekly analysis by Ardi. Source: X
アルディ氏はまた、ETH/BTCのチャートが引き続き重要な監視対象だと付け加えた。同ペアはなお下落トレンドを続けている。
現時点では、1400ドルから1700ドル、円換算で約22万6000円から約27万4000円のレンジが、買い手と売り手の攻防が最も激しくなっている主戦場といえそうだ。

