
ビットコイン7万8000ドルでも月末に不穏 米30年債利回りが「20年ぶり高値」目前、弱気シグナルも浮上
ビットコインは7万8000ドル(約1248万円)付近で乱高下している。米財務長官の発言をきっかけに一時反発したものの、米国債利回りは再び約20年ぶりの高水準に接近。さらにチャート上では弱気のRSIダイバージェンスも浮上し、好調だった8月相場の月末に警戒感が広がっている。

ビットコイン(BTC)は31日のウォール街取引開始を迎え、7万8000ドル(約1248万円)付近で方向感の乏しい値動きを続けた。その背後では、米国債利回りが再び約20年ぶりの高水準へと迫っている。
TradingViewのデータによると、BTC/USDは狭いレンジ内で推移しながらも、日中では約1%上昇した。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
米国市場の取引開始にかけて一度は下落したビットコインだが、その後、急反発した。
きっかけとなったのが、スコット・ベッセント米財務長官の発言だった。
ベッセント氏はCNBCとのインタビューで、米国債市場の長期ゾーン、すなわち10年債や30年債を支えるための追加介入について言及した。
「私はまだ何も買っていない」
ベッセント氏はそう述べ、財務省による対策発表後に国債利回りが再び上昇していることについても「問題ない」との認識を示した。
米財務省は8月、9月以降の国債買い戻し額を少なくとも倍増させ、40億ドル(約6400億円)とする方針を発表している。
発表直後には国債利回りが低下したものの、31日には再び上昇。米10年債利回りは4.76%に達し、2025年1月以来の高水準まで戻った。

US 10-year bond yield one-week chart. Source: Cointelegraph/TradingView
さらに厄介なのが30年債だ。
米30年債利回りは一時5.269%まで上昇。2007年1月以来の高値まで、わずか0.06ポイントに迫った。
マーケット分析を手掛けるコベイシ・レターは、Xへの投稿でこう指摘した。
「債券市場は米財務省を完全に無視しているように見える」

US 30-year bond yield one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
米財務省が国債買い戻しを拡大しても、市場が素直に反応するとは限らない――。
こうした懸念は以前から出ていた。
著名投資家のレイ・ダリオ氏も、財務省の新たな政策だけで国債市場をコントロールできるのかについて懐疑的な見方を示している。
将来的な米国の債務危機を予想するダリオ氏は、その際のヘッジ手段としてビットコインと金の両方を挙げている。
ダリオ氏はリンクトインへの投稿で、資産クラスや国を幅広く分散することを勧めた上で、債券のような「債務資産」の比率を下げ、金と少量のビットコインを増やすべきだとの考えを示した。
一方、米株式市場にも重苦しい空気が漂った。
S&P500とナスダック総合指数はいずれも約0.4%下落。米国とイランを巡る新たな軍事的緊張も市場心理の重しとなった。
そして、ビットコイン自身にも不穏なサインが浮上している。
8月の月足確定を目前に控えるなか、BTC/USDは50週指数平滑移動平均線(EMA)である7万7269ドル(約1236万円)をサポートとして維持している。

BTC/USD one-hour chart with 50-week EMA. Source: Cointelegraph/TradingView
この水準は、強気派にとって「ここを割りたくない」という重要な防衛ラインだ。
ビットコインは8月だけで一時25%近く上昇しており、月間パフォーマンスとしては2017年以来最高の8月となる勢いを見せている。
ところが、ここへ来て警戒を促す材料が出てきた。
トレーダー兼アナリストのレクト・キャピタル氏は、日足チャート上で価格と相対力指数(RSI)の間に「隠れた弱気ダイバージェンス」が形成されつつあると指摘した。
週足では強気のRSIシグナルが確認されている一方、足元の日足RSIについては、上昇の勢いが失われつつある可能性があるという。
レクト・キャピタル氏はXへの投稿で、解説チャートとともに次のように警告した。
「日足RSIが引き続き高値を切り下げていけば、ここから弱さがさらに積み上がることになる」
31日時点の日足RSIは70.7。
一般的に「買われ過ぎ」とされる70をなお上回っている。
2017年以来となる強い8月を締めくくれるのか。それとも、米国債利回りの急上昇とテクニカル面の弱気シグナルに足をすくわれるのか。
ビットコインは月末最後の局面で、まさに正念場を迎えている。

BTC/USD one-day chart with RSI data. Source: Rekt Capital on X.com

