
テザー、USDT活用の約4600億円ファンド始動 暗号資産マネーが中小企業融資へ
USDT発行企業テザーとロンドン拠点のファサナラ・キャピタルが、プライベートクレジット分野に本格参入する。両社は4億ドルを拠出し、機関投資家から最大30億ドルの資金調達を狙う。

テザーとファサナラ・キャピタルは、両社が拠出する4億ドル(約618億円)を裏付けとしたプライベートクレジットファンドを立ち上げた。機関投資家から最大30億ドル(約4638億円)の調達を目指す。
このエバーグリーン型ファンドの名称は「ステーブルファンド」だ。両社が水曜日に発表したところによると、テザーのUSDTを決済インフラとして活用し、60カ国以上のフィンテック・プラットフォームを通じて、企業や消費者向けに短期の資産担保融資を行う。
ファンドの投資運用はファサナラが担う。一方のテザーは、USDTに紐づく資金需要を発掘し、資金をオンチェーンとオフチェーンの間で移動させるためのインフラを提供する。投資対象の中心となるのは、中小企業向け融資と消費者向けローンだ。売掛債権やサプライチェーン金融も含まれる。
ロンドンを拠点とする資産運用会社ファサナラは、60億ドル(約9277億円)超の運用資産を抱える。同社は、自社が持つフィンテック系レンダーのネットワークを通じて資金を投じていく。
テザーは、暗号資産業界で最も高い収益力を持つ企業の一つとなっている。同社は第2四半期に約15億ドル(約2319億円)の純営業利益を計上した。主な収益源は米国債とレポ取引の保有分だ。
USDT発行企業であるテザーは6月末時点で、1878億ドル(約29兆円)の資産と、41億1000万ドル(約6355億円)の準備バッファーを報告している。
同社は近年、中核事業であるステーブルコインの枠を超えて、潤沢な資金をさまざまな分野に振り向けている。アルゼンチンのネオバンクであるウアラには2000万ドル(約31億円)を投資したほか、メルカド・ビットコインやイタリアのサッカークラブ、ユベントスにも出資している。
さらにテザーは3月、AI睡眠テクノロジー企業エイト・スリープによる5000万ドルの資金調達ラウンドを主導した。同社の評価額は15億ドル(約2319億円)とされる。

Top five stablecoins by market cap. Source: DefiLlama

