米国証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアース委員は、トークン化された証券を巡る議論が続くなか、規制当局は市場への過度な介入を避け、開示要件の簡素化を検討すべきだと述べた。
デジタル資産業界に対して概して支持的な姿勢から「クリプト・マム」としばしば称されるピアース氏は、木曜日にSECの投資家諮問委員会で行った演説でこれらの見解を述べた。同氏は、過度に規定的な規則は金融市場における資本の流れを歪める可能性があると警告した。
ピアース氏は、近代経済学の父として広く知られる18世紀の経済学者アダム・スミスを引用し、規制当局は市場の成果を形成する際に抑制を効かせるべきだと論じた。

同氏は、上場企業が義務付けられた開示書類の作成に過度な時間を費やしていることが多く、それが投資家にとって情報を明確にするどころか、かえって不明瞭にしている場合があると指摘。SECは開示規則の効率化を検討すべきだと提案した。
演説は広範な規制問題に触れたものだったが、ピアース氏はトークン化された証券やブロックチェーン基盤の金融インフラを巡り高まっている議論についても言及した。
同氏は、SECの職員が「イノベーション免除」の可能性について引き続き検討していると述べた。これは、既存の証券法がブロックチェーン基盤の市場にどのように適用されるかを当局が評価する間、トークン化された証券の限定的な試行を認めるものである。
また、ピアース氏はトークン化された証券に対して追加の開示や仲介業者の要件が必要かどうかに疑問を呈した。ブロックチェーンシステムは決済の迅速化を可能にし、場合によっては従来の仲介業者を介さない取引を実現できる可能性があると指摘した。
SECで勢いづくトークン化
トークン化された証券は、SECにとってますます重要な議題となっている。ポール・アトキンズ委員長は昨年、トークン化を主要な金融「イノベーション」と見なしており、規制当局は制約するのではなく奨励すべきだとの見解を示した。
当局は12月、預託信託決済公社(DTCC)に対してノーアクション・レター(法令適用事前確認書)を発行し、この方向に一歩踏み出した。これにより、市場インフラ提供者である同社が証券向けのブロックチェーン基盤のトークン化サービスを模索することを認めた。
この書簡は実質的に、DTCCが特定のトークン化関連活動を進めたとしても、規制当局が法的執行措置を勧告しないことを示唆した。これにより、同社が伝統的な証券のブロックチェーン決済を支えるインフラを開発する道が開かれた。

トークン化を巡る規制上の議論は、ワシントンで進行中の仮想通貨市場構造法案に関する広範な政策議論と並行して展開されている。この法案は、最終的に米国におけるデジタル資産の監督の在り方を決定づける可能性がある。

