
セーフ投資家、ガバナンス問題でスイス監督当局に介入要請
暗号資産管理基盤セーフへの投資家であるグリーンフィールド・キャピタルが、セーフ・エコシステム財団のガバナンスをめぐる懸念を理由に、スイスの財団監督当局へ監督上の申し立てを行った。

セーフ(Safe)の投資家であるグリーンフィールド・キャピタルは、セーフ・エコシステム財団のガバナンスをめぐる問題について、スイスの財団監督当局に監督上の申し立てを行った。数カ月にわたって財団側と協議してきたものの、懸念の解消には至らなかったとしている。
グリーンフィールドの創業パートナー、ヤシャ・サマディ氏は5日、セーフのコミュニティーに向けた公開書簡で、スイス連邦財団監督当局(ESA)への申し立てを明らかにした。
同氏によると、同社は2025年初めからセーフの状況について「懸念を強めてきた」という。背景には、市場全体と比較したセーフのパフォーマンスや、財団理事会に独立した立場から意見を述べるメンバーが不足していることがある。
「1年以上にわたる調査、対話、そして忍耐を重ねた結果、現在のガバナンス体制のままでは、セーフはその潜在能力を発揮できないと考えるようになった」とサマディ氏は述べた。
今回のガバナンスをめぐる対立は、セーフが2026年の損益分岐点到達と収益倍増を目指している中で起きている。
セーフは2月の発表で、2025年末時点のプロジェクト全体の年間換算収益が1000万ドル(約15億7700万円)を超えたと報告。さらに2030年までに年間経常収益(ARR)1億ドル(約157億7000万円)を達成するという長期的な目標も示していた。
グリーンフィールド、セーフの収益成長に疑問
一方、グリーンフィールドは、第2四半期の収益が198万ドル(約3億1200万円)だったことを指摘した。年間換算の収益ランレートは800万ドル(約12億6200万円)となり、2026年の目標である2000万ドル(約31億5400万円)を大きく下回るとしている。
同社は、暗号資産市場全体が成長する中で、セーフが市場での地位を失いつつあると主張した。
サマディ氏によると、2024年1月から2026年8月にかけて、セーフのアカウントで保有される資産総額は660億ドル(約10兆4000億円)から300億ドル(約4兆7300億円)へと減少した。50%以上の減少となる一方、分散型金融(DeFi)市場全体のロックされた総価値(TVL)は40%増加したという。
同じ期間に、ステーブルコインの総供給量は約135%増加した。しかし、イーサリアム上のセーフに保管されるステーブルコインは11%の増加にとどまり、流通するUSDCに占めるセーフのシェアは12.8%から2.5%へ低下した。
「最も成長しており、セルフカストディのインフラが最も力を発揮できるカテゴリーで、セーフは2年半にわたって地位を失い続けている」
サマディ氏は、こうした懸念の多くが、「経験に基づく意思決定」ができる独立した理事の不足に起因すると指摘した。
また、理事を務めるステファン・ジョージ氏がGnosisで担っている役割や、同じく理事を務めるリチャード・マイスナー氏がセーフの製品を開発・運営する企業と関係を持っていることについて、利益相反があると主張した。
グリーンフィールドによると、同社は数カ月にわたって財団側にガバナンス体制の再編を求めてきた。具体的には、ジョージ氏を理事から外し、財務、リスク管理、事業戦略に関する専門知識を持つ、外部から招いた独立したメンバーを加えて理事会を拡大するよう求めている。
今回、グリーンフィールドはスイスの監督当局に対し、財団のガバナンスを調査し、是正措置が必要かどうかを判断するよう求めている。

