
リップル、米国株デリバティブに本格参入 機関投資家向け「デルタワン」で何が変わるのか
リップル傘下のプライムブローカレッジ事業「リップル・プライム」が、米国株や指数、暗号資産に連動するトータルリターンスワップを提供開始した。ヘッジファンドや資産運用会社を狙い、伝統金融と暗号資産をまたぐ“機関投資家向け金融インフラ”を拡大する。

リップルのマルチアセット・プライムブローカレッジ事業であるリップル・プライムは、機関投資家向けに「デルタワン」サービスを開始した。これにより同社は、米国株デリバティブの領域へと踏み出すことになる。
リップルの発表によれば、新サービスでは、顧客が米国上場株式、株価指数、そして暗号資産に連動するトータルリターンスワップを執行できるようになる。
トータルリターンスワップとは、原資産そのものを保有せずに、その資産の値動きや収益に対するエクスポージャーを得る仕組みだ。いわば「株や暗号資産を直接持たずに、そのリターンだけを取りに行く」金融商品である。
対象となるのは、ヘッジファンド、資産運用会社、その他の金融機関だ。リップルによれば、顧客は単一のカウンターパーティを通じて、対応する資産クラスをまたいだ取引やクロスマージンを24時間利用できる。
リップル・プライムのノエル・キンメル社長は、今回のサービス開始について次のように述べている。
「デルタワン事業の開始は、リップル・プライムにとって重要な進展であり、われわれが築いてきたプラットフォームの自然な延長線上にある」
リップル・プライムはすでに、外国為替、デリバティブ、債券、暗号資産を対象に、プライムブローカレッジ、清算、ファイナンスサービスを提供している。同社によれば、規制上の純資本は10億ドル、約1600億円を超える。
リップル・プライムは、リップルが2025年10月にヒドゥン・ロードを12億5000万ドル、約2000億円で買収した後、同事業をリブランドする形で誕生した。
さらにリップル・プライムは8月上旬、成長資金を確保するため、シニア無担保債の私募で2億7500万ドル、約440億円を調達している。5月には、機関投資家向けの融資能力を拡大するため、ニューバーガー・スペシャルティ・ファイナンスが運用するファンドから2億ドル、約320億円の借入枠も確保していた。
暗号資産企業として知られてきたリップルが、いま狙っているのは単なる暗号資産取引の拡大ではない。米国株、債券、為替、デリバティブ、暗号資産を一本の金融インフラでつなぐことだ。
今回のデルタワン開始は、その布石のひとつといえる。

