仮想通貨決済プラットフォームのムーンペイは、イスラエルの仮想通貨セキュリティインフラ企業ソドットを買収し、機関投資家向け事業を立ち上げる。
ムーンペイは水曜日、ソドットの買収を発表した。同社の鍵管理技術を中核インフラとして活用し、金融機関や資産運用会社、トレーディング企業、取引所などデジタル資産市場に参入する法人顧客向けの新事業を展開する。
ムーンペイの共同創業者であるイヴァン・ソト=ライトCEOはプレスリリースで、「当社は世界有数の仮想通貨決済ネットワークの構築を目指してきた」と述べ、機関投資家向け事業はその次の成長段階だと位置付けた。
ブルームバーグによると、この取引は4月に株式交換方式で完了し、評価額は約1億ドルとされる。
今回の動きは、個人向け仮想通貨決済を中心とした従来の事業からの拡張を意味し、伝統的金融機関がデジタル資産分野へ参入する中で、安全なウォレットおよびカストディインフラへの需要が高まっていることを反映している。
機関投資家需要を取り込む狙い
新設される機関投資家向け部門は、トレーディング、トークン化証券、決済、ウォレット管理、ステーブルコイン発行など幅広い分野で、伝統的金融機関のニーズに対応する。
同部門はキャロライン・ファム氏が率いる。ファム氏は2025年後半にムーンペイに加わり、米商品先物取引委員会(CFTC)の委員長代行を務めた経歴を持つ。2025年12月にムーンペイの最高法務責任者および最高管理責任者に就任している。
ソト=ライトCEOは「金融規制と資本市場の最前線で長年の経験を持つキャロライン以上に適任者はいない」と述べた。
仮想通貨セキュリティ競争が激化
2023年に設立されたソドットは、デジタル資産の保護や機関投資家向けウォレット運用に不可欠な鍵管理インフラに特化した企業だ。
同社は自己管理型のマルチパーティ計算(MPC)技術を提供している。これは秘密鍵を複数の断片に分割し、独立した複数の主体に分散させることで資産の安全性を高める暗号技術だ。
今回の買収は、仮想通貨カストディ企業を中心に機関投資家向けサービスが拡大する流れの中で行われた。先週には、仮想通貨取引所OKXがデジタル資産カストディ企業ビットゴーのオフエクスチェンジ決済機能を統合している。
また、ビットメックスは欧州のカストディ企業ゾディア・カストディと提携し、取引所外で分別管理された担保を用いた機関投資家向けデリバティブ取引を可能にしている。

