
LG、広告売買をブロックチェーン化へ アービトラムと108兆円市場を狙う
LGは、広告枠の売買に特化したブロックチェーンの構築を進めている。ここ数年、独自ブロックチェーンを立ち上げる企業が相次ぐなか、韓国の電機大手もその潮流に加わった格好だ。

韓国の電機大手、LGエレクトロニクスが、イーサリアムのレイヤー2ネットワーク「アービトラム」と組み、ブロックチェーンを使った広告ネットワークの構築に乗り出している。狙うのは、巨大化するデジタル広告市場である。
フォーチュンが木曜日に報じたところによれば、アービトラムは広告主と媒体社に対し、広告枠の在庫を共有するデータベースを提供する。さらに、消費者が広告にどう反応したかを追跡する仕組みも備えるという。LGは、このサービスを年内に市場投入する方法を検討している。
LGエレクトロニクスのブロックチェーン研究所を率いるサミュエル・ビョンスン・パーク氏は、こう語った。
「このアプローチが、広告主、媒体社、そして視聴者にとって意味のある価値を提供できるのか、現在評価しているところです」

LG Group’s headquarters is in Seoul, South Korea. Source: Seoul Institute
世界のデジタル広告費は2025年に6790億ドル、日本円にして約108兆6400億円に達したと推計されている。これは世界全体の広告費の68%を占める規模だ。数字を見れば、LGがこの市場に目をつける理由は明白である。
従来の広告ネットワークでは、広告主と媒体社の間に入り、広告枠の売買を自動化・管理する仲介業者が欠かせなかった。だが、その仲介には当然コストがかかる。
ブロックチェーンを使った広告ネットワークは、この中間業者を取り除くことを目指す。広告購入をより効率化し、広告主に対して「自分たちの広告が誰に届いたのか」を透明に示す。つまり、広告費の流れをより見えやすくするというわけだ。
アービトラムの共同創業者、スティーブン・ゴールドフェダー氏はフォーチュンに対し、こう説明している。
「要するに、市場をソフトウェア上で自動的に動かせるということです。人の手による介入は必要ありません」
この報道を受け、アービトラムのトークンであるARBの価格は木曜日に5.44%上昇した。アービトラムもX上で今回の動きを認めている。
コインテレグラフは、アービトラムとLGエレクトロニクスにコメントを求めた。
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LGは、暗号資産分野の可能性をおよそ10年前から探ってきた企業でもある。
2018年には、LGグループ傘下のLG CNSが、企業向けの独自ブロックチェーン「モナチェーン」を立ち上げた。デジタル認証、決済、サプライチェーン管理などでの利用を想定したものだった。
さらにLGエレクトロニクスは、2022年のNFTブームが最高潮だった時期に、ヘデラ・ハッシュグラフのネットワークを使った分散型暗号資産ウォレット「ウォリプト」を開発している。これは、テレビ上でデジタルアートを表示できるNFTプラットフォーム「LGアートラボ」の連携ウォレットとして使われていた。
しかし、そのNFTプラットフォームは2025年6月に終了した。同年、NFTマーケットプレイスの閉鎖が相次ぐなかでの撤退だった。LGエレクトロニクスはその数カ月後、9月にウォリプトも終了させている。
一度はNFTの熱狂から退いたLGが、今度は広告という巨大市場にブロックチェーンを持ち込もうとしている。テレビ、家電、データ、広告、そしてオンチェーンの透明性――その交差点に、次の一手を見ているのかもしれない。
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