
急成長DEXハイパーリキッドに“無免許”警告 シンガポール当局が突きつけた規制の現実
シンガポール当局が、分散型取引所ハイパーリキッドに警告の一手を打った。MASは同取引所を投資家警告リストに加え、同国で無免許である事実を市場に突きつけた。

シンガポールの中央銀行であり金融規制当局でもあるシンガポール金融管理局(MAS)は、分散型無期限先物取引所「ハイパーリキッド」を、投資家警告リストに追加した。
金曜日に追加された項目には、ハイパー財団のウェブサイトと、ハイパーリキッドの取引アプリが含まれている。
この投資家警告リストは、消費者保護を目的とした制度だ。MASから免許を受けている、あるいは規制下にあると誤って受け止められる可能性のある事業者を示すものだ。ただし、リスト入りしたからといって、それ自体が禁止措置や執行措置を意味するわけではない。

MAS Investor Alert List. Source: MAS
MASは6月17日、暗号資産取引所バイビットも同リストに追加している。クーコインやビットゲットも、すでにリストに名を連ねている。コインテレグラフはMASにコメントを求めたが、記事公開までに回答は得られなかった。
一方、ハイパーリキッド側は、MASから免許や認可を受けていると主張したことは一度もないと説明。さらに、同社のパーミッションレスなインフラに変更はないと強調した。
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同プラットフォームは金曜日のX投稿で、こう述べている。
「ハイパーリキッドのエコシステムは、世界中の規制当局や機関投資家と協調的かつ建設的に関わり続け、オンチェーン金融のための明確でよく設計された枠組みを支えていくことに、引き続きコミットしている」
コインゲッコーによれば、ハイパーリキッドは取引高ベースで世界第9位の分散型取引所に位置づけられている。また、ディファイラマの推計では、同プラットフォームの預かり資産総額、いわゆるTVLは約57億ドルに上る。日本円にすれば、約9,152億円という規模だ。
シンガポール、暗号資産規制をじわり強化
シンガポールは近年、暗号資産業界への監督を着実に強めてきた。
2025年5月には、MASが海外顧客向けにサービスを提供する暗号資産企業に対し、免許を取得するか、事業を停止するよう命じた。MASはこの方針について、新たな路線転換ではなく、長年の規制姿勢を反映したものだと説明している。
この指令によって、シンガポールを拠点にしながら「海外顧客だけを相手にしている」として免許取得を回避してきた一部の暗号資産企業にとって、抜け道は塞がれる格好となった。MASは、2022年以降、この立場を一貫して伝えてきたとし、無免許で営業を続けてきた事業者に対する移行期間を終了させるとしている。
MASによれば、これらの措置の狙いは、消費者保護を強化し、シンガポールの暗号資産規制の枠組みを、マネーロンダリング対策およびテロ資金供与対策に関する国際基準に合わせることにある。
アジアの金融ハブとして暗号資産ビジネスを呼び込みながらも、野放図な業者は許さない――。獅子の都市シンガポールの監督姿勢は、より鮮明になりつつある。

