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Ezra ReguerraライターYohan Yu監修編集者

社員のパソコンが原因で58億円流出 Humanity ProtocolのHトークンが大暴落

最新ニュース公開日2026年6月10日

ヒューマニティ・プロトコルは、社員のノートパソコンが侵害されたことで攻撃者にブリッジの管理権限を奪われ、コントラクトを書き換えられたうえ、Hトークンで3600万ドル超、日本円にして約58億円超が盗まれたと明らかにした。

ヒューマニティ・プロトコルは、社員のノートパソコンが侵害されたことで攻撃者にブリッジの管理権限を奪われ、コントラクトを書き換えられたうえ、Hトークンで3600万ドル超、日本円にして約58億円超が盗まれたと明らかにした。

同プロトコルは火曜日に公表したインシデント報告で、月曜日に発生した攻撃がイーサリアムとBNBチェーン上のHトークンに影響を及ぼしたと説明した。チームによれば、6つあるグノーシス・セーフのオーナーキーのうち3つが侵害され、攻撃者は両ネットワーク上のブリッジ管理権限を掌握したという。

権限を手にした攻撃者は、ブリッジのコントラクトを悪意ある別バージョンへと差し替えた。ヒューマニティによれば、イーサリアム上では約1億4120万トークンが抜き取られた。BSC上では、無制限にトークンを発行できる関数が追加され、攻撃者は自らのウォレットに2億トークンを直接ミントした。

ヒューマニティ創業者のテレンス・クウォック氏はコインテレグラフに対し、同プロジェクトでは4人に分散したマルチシグ管理体制を敷いていたものの、設定時に一部のキーが露出した可能性があると語った。

「何が起きたのかというと、一部のキーが誤って、侵害された端末にバックアップされていたのだと考えています」

クウォック氏はそう説明する。

同氏によれば、ヒューマニティはトークン財務の大半について「認可を受けたカストディアン」を利用し、運営用財務にはMPCを使っている。一方で「特定のコントラクトについては、マルチシグキーを一カ所で設定し、その後に分散した」といい、その過程で一部のキーが侵害済みの端末にバックアップされたままになっていたという。

今回の事件は、端末1台の侵害が、いかにプロトコル全体の危機へ発展し得るかを示している。とりわけ、複数の権限が少数のキーの背後に集中している場合、その危険性は一気に跳ね上がる。

ヒューマニティは、影響を受けたブリッジへの入出金を停止し、取引所や関係各所と連携して被害の最小化と資金回収の可能性を調査しているとした。

ヒューマニティ・プロトコルのHトークンは、秘密鍵の侵害が公表された後、85%超下落した。クウォック氏は当時、ユーザーに対し、ブリッジや流動性プールに触れないよう警告していた。

Source: Humanity Protocol

セキュリティ企業が攻撃パターンを検証

この事件をめぐっては、ブロックチェーン調査関係者の間で、攻撃が純粋な外部からの侵害だったのか、それとも近く予定されていたトークンアンロックを前にした不自然なトークン移動と関係があるのか、厳しい視線が向けられた。そう指摘するコミュニティメンバーもいた。

ブロックチェーン調査員のザックXBTは当初、ヒューマニティのマーケットメーカーや店頭取引、いわゆるOTCの動きが今回のエクスプロイトと関係しているのではないかと疑問を呈した

しかし、その後さらに分析を進めた結果、マーケットメーカーやOTCの動きは、秘密鍵侵害とは独立したものに見えると述べた

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サイバーズのシニア・セキュリティ・オペレーションズ・リードであるハカン・ウナル氏は、コインテレグラフに対し、オンチェーン上の動きだけを見れば、実際の侵害であっても、仕組まれた事件であっても、初期段階では似たように見えることがあると語った。どちらの場合も、攻撃者が正規の管理者権限を持っているからだ。

「両者を分けるのは、その周辺の振る舞いです」

ウナル氏はそう語る。

「本物の侵害であれば、通常はスピードと場当たり的な動きが見られます。資金は新しいウォレットへ急いで移され、不利な価格でスワップされ、ミキサーが使われ、内部者的なタイミングは見られません」

一方で、仕組まれた事件の場合は、アンロックや権利確定の直前という不審なタイミング、供給の集中、整然とした資金移動、あるいは最終的にチーム関連アドレスやマーケットメーカーへ戻っていく資金の流れが見られることがあるという。

「現時点では証拠が入り混じっており、だからこそ、この疑問はまだ開かれたままなのです」

ウナル氏はそう付け加えた。

「単独犯ではなく、計画的犯行か」研究者が指摘

一方、アリウム・ラボのリサーチ責任者であるエルトン・シェドゥラ氏は、今回のエクスプロイトに見られるオンチェーン上のパターンは、単独の便乗犯による突発的な攻撃というより、計画され、調整された作戦であった可能性を示していると指摘した

Wallet funding and timeline. Source: Allium Labs

シェドゥラ氏によれば、関連ウォレットには攻撃の数週間前から取引所やミキサーを通じて資金が入っていた。さらに、攻撃の数日前にはミント権限が“慣らし運転”されており、実際の売り浴びせは2つのチェーンで同時に行われたという。

同氏は、この準備の水準とアクセス権限の深さを踏まえると、長期間にわたって侵害されたキーを静かに保持していた「内部者」、あるいは「外部の攻撃者」のいずれかによる犯行と見て整合的だと述べた。

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