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Sam BourgiライターRobert Lakin監修編集者

「半減期でビットコイン崩壊」は本当か フィデリティが安全性不安に真っ向反論

最新ニュース公開日2026年6月30日

フィデリティは、半減期のたびにマイナーのブロック報酬が細っていくとしても、ビットコインの固定供給スケジュールがネットワークの安全性を揺るがすことはないと主張している。

フィデリティ・デジタル・アセッツが、ビットコインの長期的な安全性をめぐる根強い懸念に真っ向から反論した。

マイニング報酬が減少するにつれ、ビットコインのセキュリティは劣化していく――。そんな批判に対し、同社は新たな調査レポートで、ネットワークを支える経済的インセンティブは今後も十分に機能し、ブロックチェーンの安全性は長期的に維持されるとの見方を示した。

レポートを執筆したのは、フィデリティのリサーチアナリスト、ダニエル・グレイ氏だ。同氏は、ビットコインの安全性は単にブロック報酬だけで決まるものではないと強調する。取引手数料、市場インセンティブ、その他の経済的な力学が、マイナーにネットワーク防衛を続けさせ、継続的な攻撃を「割に合わない」ほど高コストなものにしているという。

この見解は、ビットコインに長年向けられてきた批判に一石を投じるものだ。

ビットコインでは、およそ4年に1度の半減期ごとに新規発行量が減っていく。そのため批判派は、「新たに得られるコインが減れば、マイナーの動機も弱まる。取引手数料が十分に増えなければ、いずれネットワークの安全性は損なわれる」と主張してきた。

この問題は、ビットコイン(BTC)をめぐる最重要の長期論点の一つになっている。ビットコインは供給量があらかじめ固定されており、新規発行は段階的に減り続け、最終的にブロック補助金は消滅する。では、その後も取引手数料やその他のインセンティブだけで、ネットワークの安全性を維持できるのか。開発者や市場参加者の間で、今も議論が続いている。

2024年4月20日以降、ビットコインのマイナーが1ブロックを採掘するごとに受け取る補助金は3.125BTCとなっている。前回の半減期サイクルでは6.25BTCだったため、額面上は半分に減った形だ。

しかしグレイ氏は、発行量の減少がそのままマイナーの動機低下につながったわけではないと指摘する。理由は単純だ。ビットコイン価格の上昇が、ブロック報酬の減少分を十分に補ってきたからである。

同氏は、マイナーの1日平均収入の伸びを例に挙げた。ビットコイン最初の半減期サイクルでは約2万6300ドル、円換算で約426万円にすぎなかったマイナー収入は、現在では4000万ドルを超え、約4020万ドル、円換算で約65億700万円にまで膨らんでいる。

グレイ氏はこう書いている。

「発行量が減少しているにもかかわらず、マイナーのインセンティブ、そしてその延長線上にあるネットワークの安全性は、歴史的にビットコイン価格の上昇とともに強化されてきた」

ビットコインの1日平均マイナー収入は、半減期サイクルを経るごとに大きく増加してきた。

Bitcoin’s average daily miner revenue has increased substantially across halving cycles. Source: Fidelity Digital Assets

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上場ビットコインマイナーにのしかかる資金難

一方で、フィデリティがビットコインの長期的なインセンティブ構造は健在だと主張する一方、上場しているマイニング企業の多くは、目先の資金繰りで厳しい圧力にさらされている。

業界アナリストの中には、現在の環境を「過去最も厳しい局面の一つ」と評する声もある。背景にあるのは、採掘報酬の低下、コスト上昇、そして競争激化だ。

こうした中で、複数のマイナーは人工知能、つまりAIや高性能コンピューティング、HPC分野への多角化を進めている。既存の電力インフラやデータセンター資産を活用し、ビットコイン採掘だけに頼るのではなく、AIワークロードへの需要を取り込もうとしているのだ。

ヴァンエックの最近のレポートによれば、上場マイナーがAIインフラへ本格的に移行するには、最大500億ドル、円換算で約8兆935億円の追加資本が必要になる可能性があるという。マイナーたちの“AI転身”が、いかに巨大で、いかに高くつく賭けなのかを物語っている。

上場マイナーは、AIへの野望を実現するうえで大きな資金ギャップに直面している。

Public miners face a large funding gap in realizing their AI ambitions. Source: Miner Weekly

ブロックスブリッジ・コンサルティングは、最近のマイナー・ウィークリーでこう指摘している。

「ビットコインのマイニング施設は、比較的簡素な建物、モジュール型インフラ、そして急な出力制限にも耐えられるASIC群があれば運用できる。一方で、AIやHPC施設には、稼働率、冷却、電力の冗長性、ネットワーク、顧客サポートといった面で、より高い基準が求められる」

つまり、マイナーにとってAI転換は、単なる“空いた電力の転用”ではない。ビットコイン採掘とはまったく別次元の設備投資と運用能力を求められる、重い経営判断なのである。 

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