
犯罪組織が独自ステーブルコインを開発 FATF「暗号資産の規制強化を急げ」
犯罪組織による暗号資産マネーロンダリングの主役がステーブルコインへ――。国際的なマネロン対策機関FATFは、犯罪者が資産凍結を回避する独自ステーブルコインまで開発し始めたと警告。各国に対し、規制と取り締まりの強化を急ぐよう求めた。

国際的なマネーロンダリング(資金洗浄)対策機関である金融活動作業部会(FATF)は17日までに公表した最新報告書で、犯罪組織による違法資金の移動において、ステーブルコインの悪用が急速に拡大していると警鐘を鳴らした。
FATFによれば、現在確認されているオンチェーン上の犯罪活動の大半は、米ドル連動型(ドルペッグ)のステーブルコインを利用したものになっているという。さらに犯罪組織は、当局による資産凍結や差し押さえを回避するため、自ら独自のステーブルコインを開発する動きまで見せ始めている。
FATFは、各国・地域に対し、暗号資産分野のマネーロンダリング対策(AML)ルールの導入と執行を加速するよう要請した。現状では、規制の「穴」を犯罪者が巧みに利用していると指摘している。
今回の内容は、FATFが毎年実施している、加盟国などによる暗号資産向けAML基準の導入状況をまとめた年次レビューに基づくものだ。
報告書によると、「トラベルルール」を法律として導入した法域は全体の83%に達し、前年の73%から10ポイント改善した。しかし、多くの国では法律を整備しただけにとどまり、実際の監督や取り締まりが十分に機能していないとFATFは問題視している。
トラベルルールとは、金融機関や暗号資産交換業者(VASP)が一定額を超える送金時に、送金者と受取人の情報を相互に共有することを義務付ける制度だ。
対象となる基準額は原則として1000ドル(約15万円、1ドル=150円換算)または1000ユーロで、マネーロンダリングやテロ資金供与を防止する目的がある。
一方でFATFは、海外に拠点を置く暗号資産サービス事業者への監督や、DeFi(分散型金融)に関するリスク評価についても、多くの国が依然として対応に苦戦していると指摘した。
特にDeFiについては、規制当局の監視が及びにくい「規制の死角(ブラインドスポット)」となる恐れがあり、今後さらに大きな課題へ発展する可能性があるとしている。

