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Felix Ng著編集者Yohan Yu監修編集者

暗号資産業界、共和党に86億円つぎ込み民主党を敵に回す クオモ元NY州知事「民主党なしに法案は通らない」

最新ニュース公開日2026年10月9日

暗号資産系の政治団体が共和党支援に投じたカネは約86億円。民主党支援の2倍を超える。「その偏りが、法案成立のカギを握る民主党を遠ざけた」——民主党の重鎮、アンドリュー・クオモ元ニューヨーク州知事が業界の"賭け方"に異議を唱えた。

「共和党に重点的に投資すれば、当然、民主党を遠ざけることになる」

業界の"急所"を突いたのは、民主党の大物、アンドリュー・クオモ元ニューヨーク州知事だ。

舞台は6日、暗号資産カンファレンス「トークン2049」。暗号資産取引所OKXのスター・シューCEOと並んで登壇したクオモ氏は、業界がクラリティ法案(暗号資産市場構造法案)を通す近道として、共和党に大きく賭けることを信じてきたと指摘した。

共和党に86億円、民主党に41億円

カネの流れを見れば、偏りは一目瞭然だ。

暗号資産関連の政治活動委員会(PAC)を追跡する「テック・インフルエンス・ウォッチ」の最新データ(8日時点)によると、2026年の選挙サイクルで共和党支援に投じられた資金は5430万ドル(約86億円)。民主党支援は2620万ドル(約41億円)と、半分にも届かない。

さらに、民主党候補への反対キャンペーンにも2320万ドル(約37億円)が使われている。

Crypto PAC expenditures by party. 出典: Tech Influence Watch

中間選挙は「民主党優勢」 業界の賭けに誤算か

タイミングも悪い。予測市場カルシは8日時点で、11月の中間選挙で民主党が上下両院を制する確率を約61%と見積もっている。

民主党が議会を握れば、どうなるのか。クオモ氏の見立てでは道は二つ。規制当局が進めてきた暗号資産関連の施策を巻き戻しにかかるか、トランプ政権と手を組んでクラリティ法案を完全な形で成立させるか、だ。

「法案を通すには民主党が必要だ。共和党も必要だ。もっとバランスを取らなければならない」

「暗号資産はむしろ民主党向き」

クオモ氏は、「民主党=反暗号資産」というイメージそのものにも異を唱える。

「民主党は反暗号資産だ、という見方がある」と前置きした上で、こう言い切った。

「実のところ、暗号資産の技術はまさに民主党にぴったりだと言える。金融商品を手にできなかった人々に力を与えるものであり、民主党は結党以来ずっと、それに取り組んできたのだから」

Andrew Cuomo speaking at Token2049. Source: Aubrey Paller/Cointelegraph

下院では民主78人が賛成、上院では"全員反対"

実際、暗号資産の法案は党派を超えて支持を集めてきた。ただ、一枚岩なのは共和党のほうだ。

2025年7月、下院がクラリティ法案を可決した際、民主党からは78人が賛成に回り、共和党216人とともに成立に道を開いた。一方で民主党の134人は反対票を投じている。同年6月に上院を通過したステーブルコイン法「ジーニアス法」には、民主党上院議員18人が賛成した。

ところが今年9月、空気は一変する。上院でクラリティ法案の審議を前に進めるための手続き採決で、民主党上院議員は全員が反対。共和党からも4人が造反した。もっとも、当時の懸念の多くは、トランプ大統領の暗号資産ビジネスをめぐる利益相反の問題に向けられていた。

その後、民主党上院議員7人が、クラリティ法案の成立に引き続き取り組むとする共同声明を発表している。

有力PACの推薦は共和19人・民主13人

業界側の動きはどうか。暗号資産系の有力PAC「フェアシェイク」は5日、11月の中間選挙で下院候補32人を支援すると発表した。内訳は共和党19人、民主党13人だ。

共和党に大きく張った業界の賭けは、吉と出るか凶と出るか。答えは11月、投票箱が出す。

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