
パジー・ペンギンズ親会社のイグルー、L2「アブストラクト」を年内終了へ 消費者向け暗号資産で苦戦
パジー・ペンギンズの親会社イグルーが開発したイーサリアムのレイヤー2「アブストラクト」が、2026年12月15日にネットワークを停止する。消費者向け暗号資産に注力したものの、プロダクト・マーケット・フィットを見つけられず、事業モデルの継続は困難と判断した。

パジー・ペンギンズの親会社イグルーが開発した、消費者向けイーサリアム・レイヤー2(L2)ブロックチェーン「アブストラクト」が、2026年内にサービスを終了する。
アブストラクトは火曜日、Xへの投稿で、「消費者向け暗号資産」に注力する事業モデルが最終的に持続不可能だったと明らかにした。
アブストラクトは2025年1月にメインネットをローンチ。大衆向けエンターテインメントをターゲットに、消費者による暗号資産の利用拡大を目指していた。ユーザーにとっては、従来のブロックチェーンにつきものだった複雑な仕組みを極力取り除くことを狙っていた。
イグルーのCEO、ルカ・ネッツ氏は、「ほとんどの人には知られていなかったが、イグルーは過去18カ月にわたりアブストラクトに資金を投入していた」と説明した。
ネッツ氏によると、同社は2年間で数千万ドルを失いながら、消費者向けプロダクトの開発、優秀なチームの編成、世界最大級のブランドとの提携、数百万人規模のコミュニティ構築を進めてきた。それでも「プロダクト・マーケット・フィットを見つけることができなかった」という。
アブストラクトの終了は、消費者を最優先する戦略の限界を浮き彫りにした。
アブストラクトとネッツ氏はいずれも、成長を阻んだ要因として、機関投資家との接点がほとんどなかったことに加え、流動性の乏しさやDeFiエコシステムの限定性を挙げた。
一方で、同ネットワークには144以上のアプリが展開され、40万人以上のユーザーを取り込んでいた。さらに、レッドブル・レーシングやディズニーなどのブランドとも提携していた。
アブストラクト、ユーザーに資産移動を呼びかけ
アブストラクトは、ネットワーク上に資金を保有するユーザーに対し、ネットワーク停止までに資産を他のチェーンへ移すよう呼びかけている。
ネットワークは2026年12月15日に停止する予定で、ユーザーは「マイグレーション・ハブ」または「ネイティブ・ブリッジ」を利用して資産を移動できる。
期限までにブリッジされなかった資金にはアクセスできなくなるという。
また、アブストラクトのエンジニアリングチームとエコシステムチームは、アブストラクト上で展開されているプロジェクトとも連携し、他のチェーンへの移行を支援するとしている。
アブストラクトは、持続可能な事業を構築できず、2026年に終了を予定するブロックチェーンネットワークの新たな一例となった。
イーサリアムのL2「ブラスト」も先週、運営コストが収益を上回ったとして終了を発表。また、ビットコインに特化した「ボタニックス」も、十分なプロダクト・マーケット・フィットを見つけられなかったとして、6月にサービス終了を発表している。

