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Sam BourgiライターRobert Lakin監修編集者

「AI転身」で株価22%急騰――ビットコイン採掘大手クリーンスパークが“6.6兆ドル契約”を獲得、その正体とは?

最新ニュース公開日2026年7月16日

暗号資産マイニング企業クリーンスパークが、約175MWのAIデータセンターを対象とする20年契約を締結。契約総額は約66億ドル(約9,700億円)、延長を含めれば約116億ドル(約1兆7,100億円)に達する見通しだ。採掘一本足打法からAIインフラ企業への転身を市場が歓迎し、株価は一時22%急騰した。

暗号資産マイニング企業のクリーンスパークが、「AI企業への変身」を鮮明にした。

同社は米ジョージア州で20年間にわたる大規模データセンター賃貸契約を締結したと発表。これを受け、米NASDAQに上場する同社株は15日の取引で一時22%急騰した。 

契約額は約9700億円、延長なら1.7兆円超

クリーンスパークは、ジョージア州サンダーズビルのキャンパス内にある175メガワット(MW)規模のデータセンターについて、社名非公表の「投資適格級」の世界的テクノロジー企業と20年間のトリプルネットリース契約を締結した。

トリプルネットリースとは、固定資産税や保険料、建物維持費などを借り手側が負担する契約形態で、貸し手にとって安定した収益を生みやすいことで知られる。

同社によると、

  • 契約期間20年間の売上見込み:約66億ドル(約9,700億円)
  • 5年間の延長オプションを2回とも行使した場合:約116億ドル(約1兆7,100億円)

まで契約収入が膨らむ見通しだ。 

施設には借り手側がコンピューティング設備を設置し、段階的な引き渡しは2027年第4四半期から始まる予定となっている。

「ビットコイン採掘企業」からAIインフラ企業へ

今回の契約は、クリーンスパークが暗号資産マイニング一本に依存する事業構造から脱却しようとしていることを象徴している。

近年は生成AIブームを背景に、高性能コンピューティング(HPC)やAI向けデータセンター需要が急拡大している。

クリーンスパークは、この巨大需要を取り込むことで新たな収益源を確保する狙いだ。

もっとも、同社は現在でも上場企業の中では有数のビットコイン保有企業であり、暗号資産事業を完全に手放すわけではない。むしろ、「マイニング」と「AIインフラ」の二本柱へ移行する戦略が鮮明になった格好だ。

CleanSpark has gradually accumulated Bitcoin over the past year. Source: BitcoinTreasuries.NET

株価は22%急騰

クリーンスパーク株(NASDAQ: CLSK)は発表直後、一時15.10ドル(約2,220円)まで上昇し、上昇率は22%に達した。

その後は利益確定売りで上げ幅を縮小したものの、昼時点でも約11%高を維持。一方、暗号資産マイニング企業全体に投資するETF「コインシェアーズ・ビットコイン・マイナーズETF(WGMI)」の上昇率は1%未満にとどまり、市場がクリーンスパーク固有の材料を高く評価したことがうかがえる。

半減期後の苦境…マイナーは生き残りを模索

背景には、2024年のビットコイン半減期以降、マイニング事業の収益性が大きく悪化している事情がある。

採掘報酬が半減したことで売上は落ち込み、多くのマイニング企業は利益率の低下に苦しんでいる。

クリーンスパークも例外ではなく、今年3月には第2四半期決算で3億7800万ドル(約556億円)の純損失を計上。このうち約60%はビットコイン価格下落による評価損だった。

さらに今年2月には、事業運営や成長投資の資金確保のため、一部のビットコインを売却している。 

それでも「買い増し派」を維持

それでもクリーンスパークは、同業他社と比べれば財務姿勢は比較的強気だ。

資金繰り改善のため大量のビットコインを売却するマイニング企業が相次ぐ中、同社は長期的にはビットコインを買い増してきた企業として知られる。

コインテレグラフによれば、上場マイニング企業全体では昨年10月から今年2月末までに約1万5000BTCが売却されたが、クリーンスパークは依然として純保有を増やす姿勢を維持している。 

次回の2026年度第3四半期決算は8月6日に予定されている。

市場予想では1株当たり0.25ドル(約37円)の赤字となる見込みで、前年同期の0.79ドル(約116円)の黒字から大幅な悪化が予想されている。また、同社は直近3四半期連続でウォール街予想を下回っており、今回の大型契約が業績改善につながるかに投資家の注目が集まっている。 

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