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Turner WrightライターSam Bourgi監修ライター

ポリマーケットで「6360万円超」米兵にインサイダー取引疑惑 CFTCと法廷で全面対決へ

最新ニュース公開日2026年8月25日

ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の排除をめぐる非公開情報を知りながら、予測市場で巨額の利益を得たとされる米兵。刑事裁判に意見を差し挟もうとする米商品先物取引委員会(CFTC)に対し、弁護側は「規制当局の狼だ」と猛反発している。

予測市場プラットフォーム「ポリマーケット」で、非公開情報をもとにイベント契約を取引し、40万ドル(約6360万円)を超える利益を得たとされる米兵、ガノン・ケン・ヴァン・ダイク被告。その法廷闘争が、思わぬ展開を見せている。

ヴァン・ダイク被告は、自身の刑事事件に“横やり”を入れようとする米商品先物取引委員会(CFTC)に真っ向から反発している。

「法廷の友」ではなく「規制当局の狼」

8月24日、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提出された書面で、ヴァン・ダイク被告の弁護団は、CFTCによる法廷助言書(アミカス・ブリーフ)の提出に反対した。

CFTC側は、ヴァン・ダイク被告の主張について規制当局としての見解を示すため、裁判所に許可を求めていた。その対象には、ポリマーケットなどで取引されるイベント契約は、CFTCの監督対象となる「スワップ」には当たらないとの弁護側の主張も含まれている。

だが、弁護団の反発は激しい。

「ここでCFTCは、羊のように無害な『法廷の友』などではない。自らはヴァン・ダイク氏に対する案件を正面から進めようとしない一方で、独自の利害を抱える“規制当局の狼”だ」

「CFTCは、獲物を追い回す捕食者さながらに、自らの案件を正面から争う代わりに、法廷助言書という裏口を使って利益を押し通そうとしている。裁判所は、このような訴訟上の策動を容認すべきではない」

マドゥロ大統領の「排除」を賭けた疑惑

米当局は4月、ヴァン・ダイク被告を詐欺罪で起訴した。

問題となったのは、1月に実施されたベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の排除をめぐる作戦だ。ヴァン・ダイク被告は、この作戦について非公開情報を知り得る立場にありながら、ポリマーケット上の関連イベント契約を取引した疑いが持たれている。

この事件は、予測市場をめぐる議論の象徴的なケースとなった。議員や批判派は、カルシやポリマーケットといったプラットフォームが、内部情報による不正取引や市場操作に利用されかねない実例として、この事件を取り上げている。

刑事裁判は2026年末以降か

連邦裁判所はすでに、ヴァン・ダイク被告に対するCFTCの民事訴訟を「刑事手続きの結果が出るまで」停止するよう命じている。

ヴァン・ダイク被告は、すべての起訴内容について無罪を主張している。刑事裁判が始まるのは、早くても2026年末、あるいは2027年初めになる可能性がある。

果たして予測市場のイベント契約は、CFTCが取り締まるべき金融商品なのか。そして「機密を知る兵士」が予測市場で賭ける行為を、現行法はどこまで裁けるのか。法廷で争われるのは、一人の米兵の疑惑だけではない。急拡大する予測市場そのものの“境界線”である。

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