
BNBチェーンがBSC「パスツール」アップグレード ブリッジの安全性を強化、テストでは処理性能88%向上
BNBスマートチェーンが「パスツール」ハードフォークを実施した。ブリッジ承認やバリデーター権限をめぐる“安全上の穴”を塞ぐとともに、450ミリ秒のブロック時間を維持したまま、より多くの取引を処理できる仕組みを導入する。

BNBスマートチェーン(BSC)は25日、「パスツール(Pasteur)」ハードフォークを実施した。ブリッジ検証とバリデーターの権限管理に残されていた問題を修正し、1つのブロックにより多くの取引を詰め込むための新たな処理ルートを導入した。
BNBチェーンは同日の投稿で、パスツールがBSCメインネットで稼働したと発表した。今回のアップグレードでは、ブリッジ、ステーキング、ガバナンスの安全性を強化。その一方で、450ミリ秒というブロック生成時間は変えず、処理容量を引き上げるという。
アップグレードには、3つの「BNBエボリューション・プロポーザル(BEP)」が盛り込まれた。
BEP-682は、クロスチェーンのライトブロック検証時に、同じバリデーターが重複して登録されることを防ぐ。BEP-695は、バリデーター鍵の切り替え、スラッシング、ガバナンス投票に関する管理を厳格化する。さらにBEP-675では、専門のブロックビルダーがバリデーターへブロックを提出する方法を変更した。
要するに、ブリッジの承認で同じバリデーターが“二重に数えられる”事態を防ぎ、古いバリデーター鍵から権限を取り上げ、制限対象となったアドレスを投票から締め出す仕組みだ。ネットワークが混雑した際にも、ブロックへより多くの取引を収容できるようにする。
「二度手間」を解消、ブロックを満杯に
従来のBSCでは、ブロックビルダーが取引を実行してから候補ブロックを提出し、その後、バリデーターが署名前に同じ取引をもう一度実行していた。
まさに“二度手間”である。
BNBチェーンの説明によれば、この重複作業が、わずか450ミリ秒というブロック生成時間の一部を奪っていた。その結果、ブロックにまだ余裕があるにもかかわらず、十分な数の取引を詰め込めないケースがあったという。
BEP-675の導入後は、ビルダーがすでに実行済みのブロックを提出できる。バリデーターは候補ブロックがコンセンサスルールに適合しているかを確認し、署名してネットワークへ配信。その後、完全な実行検証を行う。
もっとも、従来の方式が廃止されるわけではない。バリデーターが署名前に取引を実行する旧ルートも引き続き利用できる。
処理性能は毎秒1237件から2324件へ
BSCのバリデーターが世界各地に分散している状況を再現した社内テスト環境「QANet」では、新ルートによって処理性能が約88%向上した。
1秒当たりの処理件数は1237件から2324件へ増加。1ブロック当たりの平均ガス使用量も4635万から8415万へ伸びた。一方、ブロック生成間隔と1億ガスの上限は変更されていない。
ただし、BNBチェーンは慎重な姿勢も崩していない。この数字は管理されたテスト用の処理負荷から得られたものであり、メインネット上の実測値ではないと強調している。
パスツールに先立ち、BSCではブロック生成時間の短縮を軸とするアップグレードが相次いでいた。
2025年6月の「マクスウェル」ハードフォークでは、平均ブロック時間が1.5秒から約0.8秒へ短縮。BNBチェーンによると、その後の「フェルミ」アップグレードによって、さらに450ミリ秒まで短縮された。
※原文にドル建ての金額表記がないため、今回は円換算の対象となる数字はありません。

