
ビットコイン「9月大底」説が浮上 古参投資家は売らず、新参組だけが投げ売りか
古参ビットコイン勢の売りは19カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。一方、市場サイクル指標は、9月が相場の底打ち時期となる可能性を示している。

ビットコイン(BTC)を5年以上前から握りしめてきた、いわば“古参組”の売りが、ここにきて急速に細っている。
クリプトクアントのデータによれば、5年以上前に取得されたビットコインの支出額は、90日平均で962BTCまで低下した。これは2024年11月以来の低水準だ。過去2年間には、こうした古参ホルダーによる大規模な売りが3度あった。なかでも2024年5月には、90日平均で3860BTCに達していた。
一方で、ビットコインのアナリストらは、市場指標と収益性指標が2026年後半に向けて収れんしつつあると指摘している。つまり、ビットコインの“底打ち”をめぐり、新たな時期の目安が浮上しているというわけだ。
ビットコインの「古参組」、いったん売りの手を引く
暗号資産アナリストのダークフォスト氏は、今回のサイクルでは長期ビットコイン保有者による売却が過去最高水準に達したと指摘した。今回のデータで追跡されているのは、5年以上前にビットコインを取得した投資家たちである。
同氏は、ビットコインがネットワーク上で移動したことを示す「使用済みトランザクション出力(STXO)」を用い、強い上昇局面の後に3つの大きな売りの波があったと分析した。

OG Bitcoin Holders selling pressure. Source: CryptoQuant
90日移動平均は、2024年5月に3860BTC、2025年2月に3200BTC、2025年9月に2360BTCでピークをつけた。日別で見るとその規模はさらに大きく、1日に1万BTC、3万BTC、さらには14万2000BTCを超える出力が記録された日もあった。
だが、その売り圧力は大きく和らいだ。90日平均は962BTCまで低下し、19カ月ぶりの低水準となっている。
ダークフォスト氏によれば、この古参組が保有するビットコインのうち、最も高値で取得されたものはおよそ6万3200ドル、日本円で約1021万円だった。これは現在の価格に近い水準だ。つまり、この層の保有資産は取得価格付近まで戻っているにもかかわらず、多くの投資家はなお売却を選んでいないことになる。
ビットコイン研究者のアクセル・アドラー・ジュニア氏も、比較的新しい投資家と古参投資家の間に明確な差が出ていると指摘した。
同氏によれば、ビットコインの調整後未実現損益(aNUPL)は、1カ月前のゼロ近辺からマイナス0.14まで低下した。ビットコインが6万2500ドル、日本円で約1010万円付近で取引される中、平均的な保有者は再び未実現損の状態に戻ったことを示している。
ただし、アドラー氏はこう見る。
「短期保有者の資本は56%縮小した一方、長期保有者の資本はほとんど減っていない。弱い手は投げている。強い手はまったく動じていない」
同氏はさらに、この重要指標が過去3カ月のほぼ半分の期間でゼロを下回っていると付け加えた。これは、長期保有者全体が総崩れになっているというより、新規参入組に継続的な圧力がかかっていることを示している。

STH vs LTH realized cap analysis. Source: Axel Adler Jr.
半減期サイクルは「9月底打ち」を示唆か
暗号資産アナリストのLP氏は、ビットコインの半減期サイクルに関連する繰り返しのパターンに注目している。
前回の弱気相場では、半減期から826日後に最終的な投げ売り局面に入り、その後、大きな安値をつけた。そして70日から110日ほどの横ばい調整が続いた。
今回のサイクルで見ると、この826日目にあたるのは7月6日である。そこから同じ時間軸を当てはめると、底打ちの候補時期は9月上旬となる。

BTC bottom analysis by LP. Source: X
LP氏は、ビットコインが7月上旬にかけてなお高値圏で推移する場合、このシナリオの重要性は増すと指摘している。
同様に、ビットコイントレーダーのタイタン氏も、現在価格の下に残る流動性に注目した。四半期足チャートでは、ビットコインには5万8900ドル、日本円で約952万円付近にまだ試されていない安値がある。さらに、およそ4万9000ドルから5万8900ドル、日本円で約792万円から約952万円の間には、未解消のフェアバリューギャップが残っているという。
同氏は、9月まで四半期足の安値が手つかずのまま残れば、この流動性ゾーンへの注目がさらに高まると説明した。その結果、第3四半期から第4四半期にかけて、市場が底をつける展開につながる可能性があるという。
古参組は売らない。新参組は耐えきれずに投げる。チャートの下には、まだ取りに行っていない流動性が眠っている。
ビットコイン市場は、いま再び“最後のふるい落とし”を迎えようとしているのかもしれない。

BTC quarterly analysis. Source: X

