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William SubergライターCharles Bennett監修編集者

ビットコイン価格は約1000万円 重要な「200週線」割れで2022年の弱気相場が再来か

マーケット公開日2026年8月19日

ビットコインは約1000万円を挟んで足踏みを続けている。長期相場の分水嶺とされる200週移動平均線を再び割り込み、チャートは2022年の弱気相場と不気味なほど似てきた。米国の金融政策、日本の金利上昇、そしてクジラの取引所送金――今週のBTCを揺さぶる5つのポイントを追う。

ビットコイン(BTC)は約6万3000ドル(約1002万円)で新たな週を迎えた。だが、強気派が胸をなで下ろすにはまだ早い。

週足は、長期相場の重要な節目である200週移動平均線を下回って終了した。市場では、2022年の弱気相場を思わせる値動きが再び始まったとの警戒が広がっている。

今週のポイント

  • ビットコインは5万7700~6万7300ドル(約917万~1070万円)のレンジで推移。前週の終値は200週移動平均線の6万4216ドル(約1021万円)を下回った。
  • 市場が織り込む9月の米連邦準備制度理事会(FRB)の金利据え置き確率は約70%。今週は7月会合の議事要旨も公表される。
  • 日本の第2四半期GDPは年率1.1%増にとどまり、市場予想を下回った。日本発の金融引き締めが世界の株式やビットコインを圧迫する可能性も指摘されている。

ビットコイン、200週移動平均線を再び割り込む

日曜日の週足確定後、ビットコインは小幅に反発し、ビットスタンプでは一時6万3655ドル(約1012万円)まで上昇した。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

しかし、トレーディングビューのデータによれば、週明けのBTC/USDは狭いレンジの中で膠着したままだ。上にも下にも、決定的な一歩を踏み出せていない。

そんな中、アナリストのベンジャミン・コーウェン氏が注目したのが、200週単純移動平均線(SMA)だ。

BTC/USDはこの重要ラインを再び下回った。200週SMAは2022年の弱気相場を特徴づけた指標でもある。当時は8月にレジスタンスへと転じ、その後、ビットコインは長期的な底値形成局面へ突入した。

コーウェン氏はXへの投稿でこう指摘した。

「興味深いのは、2022年と2026年の夏に、ビットコインがどちらも200週SMAを割り込んで投げ売りされた後に反発し、8月半ばに再びそのラインを失っていることだ」

BTC/USD one-week chart with 200 SMA. Source: Cointelegraph/TradingView

ビットコインは、同氏が週足終値の目標としていた6万3220ドル(約1005万円)に届かなかった。このため、今後さらに下値を探る展開になる可能性があるという。

「6万3220ドルで反落すれば、下抜けが完全に確認される。価格は現在の約5万8000~6万6000ドル(約922万~1049万円)のレンジ内で、さらに下落することになる」

BTC/USD one-week chart. Source: Rekt Capital on X.com

FRB議事要旨を控え、内部対立が焦点に

金曜日には、米製造業とサービス業の購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表される。

PMIは最近、上昇傾向にある。一方、雇用統計は比較的弱く、過去数カ月にわたって下方修正が続いてきた。景気が本当に強いのか、市場は判断しかねている。

前週発表された消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は、米国のインフレが予想ほど強くないことを示した。これを受け、市場はFRBによる今後の利上げ見通しを修正している。

CMEグループの「フェドウォッチ・ツール」によれば、FRBが9月に政策金利を現在の3.50~3.75%で据え置く確率は約70%。1カ月前の42%から大きく上昇した。

Fed target-rate probability comparison for September FOMC meeting (screenshot). Source: CME Group

投資調査会社モザイク・アセット・カンパニーは、日曜日に公表した分析でこうまとめた。

「インフレの鈍化を示す2つの統計により、金融政策の見通しが過度にタカ派へ傾くことは避けられている」

もっとも、CPIは前年同月比3.4%。FRBが目標とする2%を依然として大きく上回る。ケビン・ウォーシュFRB議長は、2%目標を達成する方針を繰り返し表明している。

水曜日には、FRBが7月会合の議事要旨を公表する。同会合では利上げが見送られたが、その決定をめぐる当局者の意見対立は1970年以来、最大規模となった。

7月に0.25%の利上げを求めて反対票を投じた3人のうちの1人、クリーブランド連銀のベス・ハマック総裁は、インフレ率が2%へ戻るまで何年もかかった場合、国民が耐えられるのかと疑問を呈した。

ブルームバーグによると、同氏はオハイオ州ケタリングで開かれたデイトン地域商工会議所のイベントで、こう語った。

「いずれ2%には到達するかもしれない。しかし、それまでさらに3~4年かかってもよいのか。それで十分と言えるのか」

日本のGDP失速 世界市場を揺らす「次の火種」か

今週、リスク資産のトレーダーが米国と並んで注視するのが日本銀行だ。

日本の第2四半期GDPは、市場予想を大幅に下回った。前期比では0.3%増、前年同期比では1.1%増。予想されていた0.5%増、2.0%増のいずれにも届かなかった。

厄介なのは、そのタイミングだ。

債券利回りが急上昇し、円安が続く中、市場は日銀が9月に現在の1.0%から追加利上げに踏み切る可能性を織り込み始めている。

BoJ interest-rate probabilities (screenshot). Source: RateProbability

GDP統計では、個人消費が8四半期ぶりに減少した。既存の景気刺激策では、消費者心理を支えきれていないことを示す数字だ。

オックスフォード・エコノミクスの日本担当主席エコノミスト、山口憲弘氏はCNBCに対し、次のように語った。

「政策による消費押し上げ効果は、すでに薄れつつある。下半期には企業がコスト上昇分を価格へ転嫁するため、インフレ率が上昇し、消費者の購買力はさらに悪化するだろう」

GDP発表後も円相場に大きな混乱はなく、月曜日には1ドル=159円前後で推移した。

USD/JPY four-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

ただし、オンチェーン分析プラットフォームのクリプトクアントに寄稿するアクセル・アドラー・ジュニア氏は、今後リスク資産に影響が及ぶ可能性を警告する。

日本の10年国債利回りは月曜日に2.93%へ上昇し、1996年以来の高水準を記録した。

「現時点で、これはリスク資産を売る合図ではない。しかし市場は重要な局面に近づいている。日本国債利回りが3%を超え、日銀が追加利上げを行い、円高が進み、さらに米国債利回りも上昇するという局面だ」

「これらの条件が重なれば、日本の金利正常化は世界的な金融環境の引き締めにつながり、株式とビットコインを直撃しかねない」

Japan 10-year bond yields one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView

株価は最高値、それでも消費者は悲観 ビットコインだけが蚊帳の外

株価が上昇する一方、消費者心理は記録的な低水準にある。この奇妙な食い違いが、ビットコインへの新たな警告となっている。

暗号資産分析プラットフォームのグラスノードは、ニュースレター「ザ・ウィーク・オンチェーン」最新版で、ビットコインと株式市場のセンチメントに大きな乖離が生じていると指摘した。

「消費者信頼感は2カ月連続で改善したにもかかわらず、過去10年間で最も弱い水準にある。一方、米国株価指数は8月7日に史上最高値を更新し、現在もそのすぐ下を維持している」

米インフレ指標の鈍化を受け、S&P500は木曜日に7816の史上最高値を記録した。その一方で、ミシガン大学の消費者信頼感指数は8月に7.6%低下すると予想されている。

グラスノードは、この一見矛盾した動きを次のように説明する。

「生活費が上がり、景気が悪化すると考える家計は、現金から資産へ資金を移している。その受け皿となっているのが、とりわけAI銘柄にけん引された株式市場だ」

US consumer sentiment data. Source: University of Michigan

だが、この資金移動からビットコインは取り残されたままだ。

状況が変わったと判断するには、米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)への機関投資家資金が継続的に回復する必要があると、グラスノードは分析する。

英投資会社ファーサイド・インベスターズのデータによれば、先週の米現物ビットコインETFからは2億6720万ドル(約425億円)が純流出した。

5営業日のうち純流入となったのは、わずか1日。その日の流入額も780万ドル(約12億4000万円)にすぎなかった。

US spot Bitcoin ETF netflows (screenshot). Source: Farside Investors

クジラが取引所へ戻ってきた

ビットコインの供給面にも、不穏な変化が現れている。

クリプトクアントによると、取引所へのBTC流入では、大口保有者、いわゆる「クジラ」の存在感が急速に高まっている。

個人投資家の関心が低迷する一方、クジラによる送金が増えたことで、減少を続けてきた取引所のBTC準備高は増加へ転じた。

バイナンスの「クジラ比率」は8月10日に0.71へ上昇。3月上旬以来の高水準となった。

クリプトクアントはこう説明する。

「取引所への入金が、必ずしも即座の売却を意味するわけではない。しかし、売買やヘッジに利用できるBTCの量が増えることにはなる」

Binance exchange whale ratio. Source: CryptoQuant

日曜日時点で、バイナンスのBTC準備高は67万4332BTC。月初から2.57%増加し、2025年11月以来の高水準となった。

「BTCが取引所から流出し続けるという、これまでの長期的な流れが弱まり始めている可能性がある」

Binance BTC reserves. Source: CryptoQuant

コインテレグラフがこれまでに報じた通り、BTC/USDが6月上旬以降、狭いレンジで推移する中、取引所での売買はデリバティブ市場が主導している。

8月上旬、バイナンスの先物取引高は現物市場の8倍に達した。

ビットコインは約1000万円を維持している。だが、その足元では、2022年の再来を思わせるチャート、日本発の金利リスク、ETFからの資金流出、そしてクジラの取引所回帰が同時に進んでいる。

次の一手を決めるのは、6万3000ドル近辺の小さな値動きではない。長期の「防衛線」を奪い返せるかどうかだ。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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