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Marcel PechmanライターAllen Scott監修編集者

イーサリアムに爆上げの兆候!企業が1兆円超を投入、30万円突破は目前か

マーケット公開日2026年7月13日

ロビンフッド・チェーンと「現実資産のトークン化」が追い風となり、イーサリアムは暗号資産市場を上回る上昇を見せた。だが、利用者数と収益は減少し、先物市場にも強気ムードはない。企業による巨額購入は、ETHを再び1,700ドルへ転落する危機から救えるのか。

イーサ(ETH)の価格が、木曜日から金曜日にかけて3%上昇した。暗号資産市場全体を上回る値動きである。

その裏にあるのが、現実世界の資産をブロックチェーン上で取引できるようにする「トークン化」の拡大、ロビンフッド・チェーンの好調な滑り出し、そして企業によるイーサの買い集めだ。

しかし、相場にはどうにも拭えない不安がある。

イーサは1,800ドル、約29万2,000円の壁を突破できなかったのだ。オンチェーン指標やデリバティブ市場の数字も弱く、再び1,700ドル、約27万6,000円まで下落するのではないかとの警戒が残っている。

ロビンフッド・チェーンに171億円が流入

イーサ投資家を沸き立たせているのが、レイヤー2ネットワーク「ロビンフッド・チェーン」の成功だ。

新たに立ち上がった同チェーンは、取引手数料を支払うためのネイティブ・ガストークンとしてETHを採用している。すでにブリッジを経由した預入額は1億600万ドル、約172億円に達した。

伝統的金融の取引プラットフォームを運営するロビンフッドは、世界120カ国の顧客にトークン化株式を提供している。イーサリアムと互換性を持つ「EVM経済圏」にとって、これ以上ない追い風となっている。 

Distributed tokenized assets value per chain, USD. Source: rwa.xyz

現実資産市場の47%をイーサリアムが支配

RWA・XYZのデータによると、現実資産のトークン化市場におけるイーサリアムのシェアは47%に上る。

ステーブルコインを除く代表例には、スカイの「テザー・ゴールド(XAUT)」、オンドの「オンド・USドル・イールド(USDY)」、フランクリン・テンプルトンの米国債商品「iBENJI」などがある。

トークン化株式では、エックスストックスが提供するストラテジー関連商品「STRCx」や、オンドが提供するサークル・グループ株「CRCLon」が市場をけん引している。

要するに、株式や金、国債といった“現実世界のお金”がブロックチェーンへ移されるほど、イーサリアムの存在感が増す構図になっているのだ。 

Source: X/LeonWaidmann

「ETHは安すぎる」異常な逆転現象

リスクのリサーチ責任者、レオン・ワイドマン氏は、ある異常事態を指摘している。

イーサリアム上の預かり資産総額、いわゆるTVLは2,600億ドル、約42兆1,000億円に達した。これが、イーサ自体の時価総額である2,100億ドル、約34兆円を史上初めて上回ったというのだ。

ワイドマン氏は、この“逆転現象”について「ETHは過小評価されている」と主張する。

現在のイーサの相対的な評価は、暗号資産市場がどん底に沈んでいた2022年の弱気相場よりも低いという。土台となる経済圏は巨大なのに、その中心で使われるETHだけが妙に安い――そんな見方である。

ところが実際の利用者は激減

もっとも、景気のいい話ばかりではない。

イーサリアムのレイヤー2利用が広がり、機関投資家から資金が流れ込んでいるにもかかわらず、オンチェーン指標は全体として停滞している。

2026年の弱気相場によって、ブロックチェーンそのものへの需要が落ち込んだ。さらに、合成型の無期限先物や、自動運用を行う利回りボールトなどの分野では、競合チェーンに利用者を奪われている。

Ethereum weekly DApps revenue, USD (left) vs. active addresses (right). Source: DefiLlama

イーサリアム上の分散型アプリケーション(DApps)が生み出した週間収益は1,100万ドル、約17億8,000万円。2026年第1四半期の2,000万ドル、約32億4,000万円からほぼ半減した。

内訳を見ると、スカイが310万ドル、約5億円。タイタン・ビルダーが240万ドル、約3億9,000万円。チェーンリンクが110万ドル、約1億8,000万円だった。

アクティブアドレス数も、第1四半期の540万件から320万件へと急減している。

投資家が「将来性」を買っている一方で、現時点で実際に使っている人間は減っている。これが、イーサ相場の抱える最大の矛盾だ。 

ETH perpetual futures annualized funding rate. Source: Laevitas

先物トレーダーも「上がる」と信じていない

弱気なのは、オンチェーンの数字だけではない。

ETH無期限先物の年率換算ファンディングレートは、土曜日に3%まで低下した。強気と弱気の境目とされる中立水準の6%を下回っている。

金曜日には一時12%まで上昇していたが、わずか一日で急低下したことになる。

ファンディングレートが低いということは、高い手数料を払ってまで「イーサは上がる」と賭ける投資家が少ないということだ。つまり、強気派自身が、本気では上昇を信じ切れていない。

直近の価格上昇は、個人投資家の熱狂というより、機関投資家や企業による買いが押し上げた可能性が高い。

Source: X/Arkham

謎のウォレットへ58億円分のイーサ

そんななか、企業による“爆買い”をうかがわせる動きが確認された。

アーカム・インテリジェンスによると、木曜日、ギャラクシー・デジタルから新しいウォレットへ2万500ETHが送金された。金額にして3,600万ドル、約58億4,000万円である。

この動きは、トム・リー氏率いるビットマイン・イマージョンが過去にイーサを購入した際のパターンと似ているという。

ビットマインは、直近30日間だけで19万8,370ETHを追加購入した。同社が保有する準備資産は、現在103億ドル、約1兆6,700億円に達している。

1,700ドルへの暴落は回避できるのか

イーサリアムを取り巻く状況は、まさに「強材料と弱材料の綱引き」だ。

RWA市場では圧倒的な地位を築き、ロビンフッド・チェーンには新たな資金が流れ込む。企業も数十億円、数百億円単位でイーサを買い集めている。

だが、実際のネットワーク収益と利用者数は減り、先物市場の投資家も上昇に確信を持てていない。

それでも、ビットマインの異常ともいえる購入ペースを考えれば、ただちに1,700ドル、約27万6,000円を再び試すほど悲観的な状況ではない。

29万円の壁をぶち破るのか。それとも、27万円台へ逆戻りするのか。

イーサ相場の運命は、個人投資家の期待ではなく、“企業の財布”に握られているのかもしれない。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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