
イーサリアムを持つだけで儲かる時代? ビットマインが3カ月で67億円を稼いだ内幕
ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズは、イーサリアムのステーキングだけで四半期約67億円を稼ぎ出した。収益の98%を占める新たな収益モデルの全貌と、トム・リー氏が「ロビンフッド・チェーンは歴史を変える」と語る理由を追う。

暗号資産マイニング企業として知られてきたビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが、「ビットコイン採掘会社」から「イーサリアム運用会社」へと劇的な変貌を遂げている。
同社は直近四半期(2026年5月31日終了)に、イーサリアム(ETH)のステーキングおよびバリデーター事業だけで4,570万ドル(約67億2,000万円、1ドル=147円換算)の売上高を計上した。これは今年3月に機関投資家向けイーサリアム・ステーキング基盤「MAVAN」を立ち上げた効果が本格的に表れた格好だ。
売上の98%がステーキング収入
同社が米証券取引委員会(SEC)へ提出した四半期報告書(Form 10-Q)によると、ステーキング収入は全売上の98%を占めた。
一方で、
- ビットコイン自己採掘:62万4,000ドル(約9,200万円)
- コンサルティング事業:16万8,000ドル(約2,500万円)
にとどまり、かつての主力だったマイニング事業は完全に脇役となっている。
さらに同社は7月14日時点で、保有するETHの85%にあたる約490万ETHをステーキングしていることも明らかにした。
「世界で最も多くETHをステーキングしている」
同社の会長を務めるトム・リー氏は、自社の規模を次のように強調した。
「ビットマインは世界で最も多くのETHをステーキングしている企業だ。MAVANと提携先によって全保有ETHのステーキングが完了すれば、年間のステーキング報酬は**2億8,400万ドル(約417億円)**に達すると見込んでいる」
もし現在の利回りが維持されれば、ビットマインは採掘設備を増設することなく、保有資産そのものから年間400億円超を生み出す計算になる。
わずか1年で収益構造が激変
変化の大きさは前年との比較で一目瞭然だ。
2025年5月期の四半期売上高は**わずか200万ドル(約2億9,400万円)**で、その大半はマイニング機器のリース事業によるものだった。
それが今年は約23倍規模へ急拡大し、売上の中心も設備貸し出しからイーサリアム運用へ完全に置き換わった。
豪州企業買収で誕生した「MAVAN」
今回の急成長を支えたのが、「MAVAN(Made in America VAlidator Network)」だ。
MAVANは、オーストラリアのノンカストディ型バリデーター企業「ピア・ツー・ホールディングス」を買収した後に構築された機関投資家向けステーキング基盤である。
当初はビットマイン自身のETH運用を目的としていたが、その後、
- 機関投資家
- カストディ事業者
- イーサリアム・エコシステム企業
向けにもサービスを拡大。現在では外部顧客向けのバリデーター運営も収益源となっている。
トム・リー氏「ロビンフッド・チェーンは大成功」
トム・リー氏はさらに、新たに始動したロビンフッド・チェーンにも強い期待を示した。
同氏によれば、7月1日のローンチ以降、累計取引額はすでに**10億ドル(約1,470億円)**を突破したという。
リー氏は、
「ロビンフッド・チェーンは、すべての分散型取引所(DEX)を上回る取引量を記録している。これは基盤チェーンであるイーサリアムの実用性とプロダクト・マーケット・フィットを証明している」
と評価した。
「27万人ではない、2700万人」がETHを使い始める
リー氏が特に注目するのは、ロビンフッドの巨大な利用者基盤だ。
ロビンフッド・チェーンではガス代がETH建てで支払われ、最終決済もイーサリアム上で行われる。
そのため、
「ロビンフッドの2,700万人のユーザーがETH建てで暗号資産手数料を支払っている。つまり一般ユーザーがETHを『お金』として認識し始めている」
とリー氏は語る。
ビットマインの四半期決算は、「暗号資産企業=マイニング」という従来の常識が大きく変わりつつあることを示している。採掘機を並べてビットコインを掘る時代から、莫大なETHを保有・運用して安定収益を得る時代へ──。その流れを象徴する決算となった。

