
ビットコイン暴落前夜か FRB利上げ40%接近、イランのホルムズ海峡牽制で市場に暗雲
タカ派FRBと、ホルムズ海峡をめぐるイランの牽制。二つの火種を前に、ビットコインは乱高下こそ免れたが、直近安値から跳ね返すだけの力も残っていなかった。

ビットコイン(BTC)は金曜日、6万3000ドル(約1016万円)を上回った。市場が地政学リスクとマクロ経済環境の変化を織り込み始めたためだ。
タカ派FRBに冷や水 ビットコイン上昇の勢い欠く
トレーディングビューのデータによれば、BTC/USDは8日ぶりの安値まで下落した後、短期足では狭いレンジに閉じ込められる展開となった。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
弱さが目立ち始めたのは、米連邦準備制度理事会(FRB)の最新の政策金利決定後だった。この判断をきっかけに、リスク資産全般が売られる流れとなった。
水曜日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)は、新FRB議長ケビン・ウォーシュ氏にとって初の会合となった。だが同氏は、今後の金融政策について市場が期待していたようなハト派的シグナルを出すことを避けた。
「インフレ率は、委員会が目標とする2%に対してなお高い水準にある。その一因として、エネルギーを含む一部セクターで価格上昇を引き起こした供給ショックがある」
ウォーシュ氏は、政策金利を現行水準に据え置く全会一致の決定後、声明でそう述べた。
「委員会は物価安定を実現する」
このウォーシュ氏の語り口は異例だった。市場では、ドナルド・トランプ米大統領が求める利下げに対し、同氏が融和的な姿勢を示すとの見方もあったからだ。さらに、前任のジェローム・パウエル氏時代と比べてFOMC声明の文量を大幅に削り、より乾いた表現を用いた。
投資情報アカウント「ザ・コベイシ・レター」はXへの投稿で、ウォーシュ氏がフォワードガイダンスを「取り下げた」と指摘し、こう反応した。
「今後、われわれが得られる情報ははるかに少なくなる」
同アカウントはさらに、ウォーシュ氏が「ドットプロット」の変更または廃止の可能性にまで触れたと説明した。政策声明や記者会見など、FRBによるあらゆるコミュニケーションのあり方も見直される可能性があるという。
言い換えれば、市場は今後、FRBの見通しをつかみにくくなる。つまり、不確実性が増すということだ。

Fed target rate probabilities for July 29 FOMC meeting (screenshot). Source: CME Group
CMEグループのFedWatchツールの最新データによると、市場は7月下旬に開かれる次回FOMCでの利上げ確率を40%近くまで織り込んでいる。
ビットコイン市場に再び「ブラックスワン」の影
一方、米国市場はジューンティーンスの祝日で休場だった。そのため、米国とイランの戦争をめぐる最新情勢を消化する役割は、ビットコインと暗号資産市場だけに残された格好となった。
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米国とイランは覚書(MoU)に署名したものの、今後のロードマップをめぐって両者の足並みがそろっているようには見えない。イランは、再開されたばかりの石油輸送ルートであるホルムズ海峡に再び目を向けている。
ブルームバーグを引用する形で、コベイシは「イランの許可なしにホルムズ海峡を通過することはできない」と報じた。
同アカウントは金曜日、こう説明している。
「米国と署名した覚書には、60日間の期間中、ホルムズ海峡の通航は自由であるとしか書かれていない」
「イランは、ホルムズ海峡の長期的な支配に向けて準備しているように見える」

CFDs on WTI crude oil one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
WTI原油のCFDはこの日、1バレル75ドル(約1万2100円)付近で推移した。3月上旬以来の安値をつけた後も、その水準を周回するような値動きが続いている。
リスク資産のボラティリティが落ち着くなか、トレーダー兼アナリストのレクト・キャピタル氏は、ビットコイン強気派にとって本当の試練はまだ先にあると示唆した。
同氏はXのフォロワーに向けて、こう述べている。
「ビットコインの弱気相場の後半には、ブラックスワン的な出来事が起きがちだ。そこに教訓がある」

