
ビットコイン弱気相場終了説が急浮上 SOPRが示す「強気回復」のサインとは
ビットコインのオンチェーン指標SOPRが3週間連続で損益分岐点を上回った。強気相場の回復初期に似た動きとの見方が出る一方、ARKインベストのデビッド・ピュエル氏は「なお下落リスクがある」と慎重姿勢を崩していない。

ビットコイン(BTC)が、典型的な弱気相場の動きとは異なる兆候を見せている。古典的なオンチェーン指標であるSOPRが、2026年で最長となる強気シグナルを示しているためだ。
SOPR、強気相場初期に似た動き
暗号資産分析プラットフォームのクリプトクオントのデータによれば、ビットコインのSOPR(Spent Output Profit Ratio)は8月19日以降、損益分岐点である1を上回り続けている。
SOPRは、オンチェーン上で移動したコインが、前回取引時の価格と比べて利益を出しているのか、あるいは損失を出しているのかを測る指標だ。
この指標は通常、1付近の狭いレンジで推移する。現在の数値は1.002だ。1を上回る場合、移動しているコインの多くが利益状態にあることを示す。市場全体の強気モメンタムを示唆するシグナルとされる。
この強気圏での推移はすでに3週間続いており、2026年に入ってから最長の期間となった。

Bitcoin SOPR chart. Source: CryptoQuant
SOPRは、ウォレットの保有期間別に分解することもできる。これにより、新規投資家と長期投資家の収益性を分けて把握できる。
最大6カ月間売却されていないUTXOを保有する短期保有者(STH)のSOPRについて、オンチェーン分析サービスのチェックオンチェーンは、ビットコインが長期的な強気回復局面に入りつつあるとの見方を示した。
同サービスは週末、Xのフォロワーに対し、次のように述べている。
「弱気相場では、利益圏に戻った反発は売られやすい。強気相場では、損益分岐点を一時的に下回る急落が“押し目買い”の機会になりやすい。現在の構造は、そうした強気相場初期の回復に近づき始めている」

Bitcoin STH-SOPR data. Source: Checkonchain on X.com
ピュエル氏、SOPR回復でも「下落リスク」警戒
SOPRの収益性シグナルが続くなか、BTC/USDは8万ドル(約1228万円)前後のローカルレンジを維持している。
しかし、業界でよく知られるアナリストの1人は、今回のサイクルでなお新たなマクロ安値を付ける可能性があると警告している。
ARKインベストのポートフォリオマネージャーであり、ビットコイン価格指標「ピュエル・マルチプル」の考案者でもあるデビッド・ピュエル氏は、9月4日に公開されたクリプトクオントとのインタビューで、次の弱気相場の底がすでに形成されたと判断するには、さらなる証拠が必要だと述べた。
8月にビットコインが25%上昇したあと、第4四半期にどのような展開が想定されるかを問われたピュエル氏は、さらなる上昇の可能性は相対的に低いとの見方を示した。
「現時点でわれわれは、これを下落リスクとして見ている」
ピュエル氏は、長期的な見方を変えるうえで重要な条件としてSOPRを挙げた。同氏によれば、投資家が「価格が新安値に戻ることなく、継続的に利益を実現する」状態が続き、SOPRが長期にわたり1を上回る必要があるという。
また、ビットコインは高値と安値を切り上げるパターンを形成し始める必要がある。だがコインテレグラフが報じたように、週足ベースではその構造はまだ確認されていない。
8月下旬には、クリプトクオントのキ・ヨンジュCEOが、同社独自の「強気/弱気相場サイクル指標」の最新値を根拠に、ビットコインの弱気相場はすでに「終わった」と述べていた。
だが、足元のSOPRは確かに市場の空気が変わり始めたことを示している一方で、ピュエル氏の見方はより慎重だ。強気相場への復帰を断言するには、利益確定が続いても価格が崩れないこと、そしてチャート上でも明確な上昇トレンドが確認されることが必要になる。

