
ビットコイン売り圧力が歴史的低水準に 8月の利益確定売りは一服、ETF投資家は8.6万ドル回復を待つ
ビットコインの「売り圧力」を示す指標が、過去最低圏まで低下している。グラスノードによれば、8月の上昇局面でいったん強まった利益確定売りは9月に入り急速に沈静化。長期保有者は売却を控え、米スポットETF投資家は平均損益分岐点とされる8万6000ドルの回復を待つ展開となっている。

ビットコイン(BTC)の売り圧力は、なお歴史的な低水準に近い。8月に強まった利益確定の動きが冷え込みつつあることが、新たなデータで明らかになった。
ビットコイン保有者は9月に「売り控え」 グラスノードが指摘
暗号資産分析プラットフォームのグラスノードは、最新の週次レポート「The Week Onchain」で、ビットコインの売り側リスク比率、いわゆるSSRRが低下方向にリセットされたと指摘した。
売り側リスクとは、オンチェーン上で実現した利益と損失の総額を合計し、それをビットコインの実現時価総額で割ったものだ。簡単に言えば、一定期間にどれだけのドル建て価値が実際に動いたのかを、実現時価総額との比較で見る指標である。
グラスノードは、SSRRの低い数値について「マクロ市場の底値圏、蓄積局面、そして相対的に売り圧力が低い環境」を示すものだと説明している。
SSRRは8月下旬、ビットコイン価格が8万ドル、約1227万円を超える数カ月ぶり高値をつけた局面で16まで上昇していた。しかし今週時点では7まで半減。これは過去の記録の中でも、とりわけ低い水準にあたる。

グラスノードによれば、8月のビットコイン反発は、オンチェーン活動で見る限り「供給をほとんど引き出さなかった」。
「2025年7月と2025年10月の高値では、同じ指標がそれぞれ35ベーシスポイント、23ベーシスポイントまで急上昇していた。過去1年間で、現在より低い水準だった日はごくわずかだ」と同社は指摘した。
データは、長期保有者の動きにも変化が出ていることを示している。ここでいう長期保有者とは、少なくとも6カ月間、UTXOを消費せずに保有しているウォレット主体を指す。彼らがオンチェーン上で利益を確定するペースは、今月に入り鈍化している。
「長期保有者が実現利益に占める割合は、8月のピーク時の88%から47%へ低下した。2026年9月3日の実現利益の急増も、8月の半分以下の規模にとどまった」とグラスノードは続けた。
「今月の売り手は最近の買い手であり、その彼らでさえ売却量を減らしている」
ETF投資家は8万6000ドルの損益分岐点を注視
SSRRの低下は、ビットコイン価格が小幅に調整しただけでパニック売りが起きるのではないか、という懸念を和らげる材料になり得る。
ビットコインが8万ドル、約1227万円を回復したことで、投資家層全体では再び利益圏に戻った。これは一方で、価格が再び下落すれば、利益確定売りへの誘惑が強まる可能性も意味する。
コインテレグラフが報じたように、使用済みアウトプット利益率、すなわちSOPRは、2026年で最も長い期間にわたり純利益圏を維持している。
SOPRは、実際に動いたコインが利益を出しているか損失を出しているかを示す指標だ。数値1が損益分岐点を意味し、1を上回る状態が続けば、長期的な強気トレンドへの転換を支える可能性がある。
グラスノードはさらに、米スポットビットコイン上場投資信託、ETFの投資家について、ビットコイン価格が8万6000ドル、約1319万円に達すれば、合算ベースで利益圏に戻ると指摘した。
ただし、ビットコインは過去229営業日にわたり、この水準を下回って終値をつけている。ETF投資家の含み損は現時点で約39億ドル、約5983億円にのぼるという。


