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William SubergライターCharles Bennett監修編集者

ビットコイン8万ドル回復ならず 円高進行で暗号資産市場に重し、米財務長官は円介入を示唆

マーケット公開日2026年9月10日

ビットコインは8万ドル(約1224万円)を前に失速した。米国によるイラン関連の攻撃で原油価格が急騰し、リスク資産全体に逆風が吹くなか、市場の視線は急速に円相場へと移っている。円は1ドル=153円前後まで上昇。米財務長官スコット・ベッセント氏の発言も、円ショート勢に警戒感を広げている。

ビットコイン(BTC)は水曜日、8万ドル(約1224万円)の節目を回復できずに推移した。市場の関心は再び日本円へと向かっている。

ポイントは3つある。

ビットコインは、米国とイランを巡る緊張によってマクロ面の逆風を受けた。ブレント原油は1バレル=100ドル(約1万5300円)を上回った。

日本円は1ドル=153円前後で推移しており、対ドルでは2月以来の高値圏にある。一方で、円売りポジションはなお過去最高水準に近い。

米財務長官スコット・ベッセント氏は、今後も円相場への介入があり得ると示唆した。

イラン攻撃でリスク資産に冷や水 ビットコインは勢い欠く

トレーディングビューのデータによれば、BTC/USDは8万ドル回復を試みたものの、上昇の勢いは続かなかった。執筆時点でBTCは前日比約0.4%安となっている。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

米国株もウォール街の取引開始後に下落した。背景にあるのは、米国によるイランの石油タンカーへの新たな攻撃だ。緊張の高まりを受け、原油価格は3カ月ぶりの高値圏に上昇した。前日からの上昇にさらに拍車がかかった形である。

執筆時点で、WTI原油は1バレル=96ドル(約1万4688円)を上回り、ブレント原油は7月下旬以来初めて101ドル(約1万5453円)を突破した。

暗号資産市場にとって、原油高と地政学リスクは厄介な組み合わせだ。インフレ懸念が再燃すれば、利下げ期待は後退する。リスク資産への資金流入にもブレーキがかかる。ビットコインが8万ドルを前に伸び悩んだのは、そうした市場心理を映したものだ。

CFDs on Brent crude oil one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView

円は2月以来の高値圏 円キャリートレード巻き戻しに警戒

市場参加者は、円相場の動きにも神経をとがらせている。日本円は対ドルで2月以来の高値圏に上昇した。現在は1円=0.0065ドル前後で、8月初めから6.5%上昇している。

JPY/USD one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView

Cointelegraphは以前、日本と米国による外国為替市場での複数回の協調介入について報じている。この介入によって、円は急速に上昇した。今後の介入で日本が米国債を売却することをワシントンが制限するのではないかとの観測もあるが、それでも円高の流れは続いている。

円売りポジションはなお巨額 5兆円超が残る

バークチャートは水曜日、ブルームバーグのデータを引用し、9月初め時点で円ショートポジションが過去最高水準に達していたと指摘した。その規模は5兆円を上回っている。

Japanese yen short positioning. Source: Barchart on X.com

サクソのチーフ投資ストラテジストであるチャル・チャナナ氏は、ロイターに対し、円高が続けば円売りポジションの巻き戻しが進み、円キャリートレードに影響が及ぶと語った。

ドル円相場は、グローバルな流動性環境を左右する重要な指標だ。その変化は最終的に暗号資産市場にも波及し得る。

「キャリートレードは脆弱な状態にある。なぜなら、この巻き戻しは日銀が予想されている利上げを実施する前から起きているからだ」とチャナナ氏は述べた。

さらに同氏はこう続けた。

「一部の円ショートはすでに解消されたが、ポジションはなお大きい。したがって、さらなる円高は、緩やかなレバレッジ縮小を、より速く自己強化的な巻き戻しへと変える可能性がある」

日銀利上げ観測もリスクに ベッセント氏「私はハウス側だ」

リスクをさらに高めているのが、日銀による利上げ観測だ。日銀は9月28日の次回会合で0.25%の利上げに踏み切ると見込まれている。

先月、米財務長官スコット・ベッセント氏は、今後も円介入の可能性があると示唆していた。そして今週、その発言をさらに強めた。まるで円ショート勢に対し、「中央銀行に逆らってみろ」と挑発するかのような内容だった。

ベッセント氏は火曜日、テキサス州のサザンメソジスト大学で開かれたイベントで、フィナンシャル・タイムズの報道によれば、次のように語った。

「日本円に介入する時、私は日銀が何をするか、日本の政策当局が何をするかについて、かなり正確な見通しを持っている。私は非対称な情報を持っている。今や私はハウス側だ」

ビットコインにとって問題なのは、単なる円高ではない。円ショートの巻き戻しが進めば、グローバル市場のレバレッジが一気に縮小する可能性がある。そうなれば、株式や暗号資産などのリスク資産から資金が引き揚げられる展開もあり得る。

8万ドル回復を目前に足踏みするビットコイン。その背後では、原油高、地政学リスク、円高、そして中央銀行の思惑が複雑に絡み合っている。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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