
ビットコイン暴落寸前から急反発、強気派はまだ死んでいない ストラテジー売却ショックでも6万5000ドル再挑戦か
ストラテジーによるBTC売却のニュースに投資家心理は大きく揺さぶられ、ビットコインは一時売り込まれた。だが、すぐさま切り返した値動きは、強気派がなお野心的なポジションを崩していないことを示している。

ビットコイン価格は、ストラテジーによるビットコイン売却発表を受け、一時6万1300ドル(約993万円)まで売り込まれた。だが、その後はすばやく値を戻した。
トレーダー心理には冷や水を浴びせた格好だが、一方でストラテジーが新たに2億1600万ドル(約350億円)の現金を確保したことで、同社が配当を支払い、債務をまかなえるのかという不安は和らいだ。では、この急回復はビットコイン強気派が再び主導権を握ったことを意味するのか。

Bitcoin perpetual futures annualized funding rate. Source: Laevitas
ビットコインの無期限先物における年率換算の資金調達率は、月曜日に9%まで上昇した。これは強気と弱気、双方のレバレッジ需要が均衡していることを示している。
もちろん、強い確信を示す水準にはほど遠い。ただ、土曜日に資金調達率がマイナスに沈み、弱気ムードが強まっていた状況からは距離を置いた格好だ。
もっとも、先物市場とは違い、ビットコインのオプション市場では月曜日に小さなストレスの兆候が出ていた。

Bitcoin options premium put-to-call ratio at Deribit. Source: Laevitas
デリビットでは月曜日、プット、つまり売る権利のオプションのプレミアムが、同等のコール、つまり買う権利のオプションを上回った。これは木曜、金曜の流れが反転したことを意味する。
通常、市場が本格的なストレス局面に入ると、この指標は簡単に2倍を超える。したがって、現在の1.15倍という水準はなお中立圏の範囲内にある。
ビットコインの先物とオプションは一定の底堅さを見せた。ただ、価格が6万3500ドル(約1028万円)まで反発したにもかかわらず、市場に強気ムードを植え付けるには至らなかった。
ビットコインETFの資金流入反転と長期保有者の信念 6万5000ドル回復の追い風に
ビットコイン弱気派は、金曜日に米国上場の現物ビットコインETFへ2億2300万ドル(約361億円)の純流入があったことの意味を、過小評価していたのかもしれない。
これは10営業日連続の資金流出後、初めての純流入だった。6月には過去最大となる45億1000万ドル(約7301億円)の純流出が発生し、トレーダー心理を大きく冷え込ませていた。
それでも、売り圧力はいずれ弱まる。ETFへの資金フローが反転する可能性は、ビットコインのデリバティブ市場に強気ムードを取り戻すには十分かもしれない。

US-listed spot Bitcoin ETFs daily net flows, USD. Source: SoSoValue
最近の弱気ムードの一因は、ストラテジーの優先永久株式「ストレッチ(STRC US)」の記録的な下落にもある。この商品は保有者に魅力的な12%の利回りを提供している。
しかし、新株発行は固定価格の100ドル(約1万6200円)でしか行えない。そのため、現在のストラテジーには配当支払いを支えるために使える手段が以前より限られている。
とはいえ、ストラテジーは17カ月分の配当をまかなえるだけの十分な現金準備を保有している。そのため、追加のビットコイン売却が差し迫って必要なのかについては議論の余地がある。

Strategy preferred perpetual equity Stretch (STRC US). Source: TradingView
ストラテジーの債務レバレッジはわずか8%と極めて低い。それでも、同社がビットコイン購入により80億ドル(約1兆2950億円)の含み損を抱えている以上、ビットコイン弱気派が優勢な状況は続いている。
ビットコイン強気派にとって最大の希望は、長期保有者の信念と、売り枯れを示すオンチェーンデータにある。これらは6万ドル(約971万円)のサポートラインを強める材料となっている。

Bitcoin transfers from long-term holders to exchanges, BTC. Source: Glassnode
長期保有者から取引所への送金量は、1週間前の1日平均8040BTCから、現在は4130BTCまで減少している。
とはいえ、現物ビットコインETFで明確な純流入が連続して確認されない限り、デリバティブ市場のトレーダーは持続的な強気モメンタムに懐疑的な姿勢を保つ可能性が高い。その場合、ビットコインが6万5000ドル(約1052万円)を上回る本格的な上昇を続ける可能性は低くなる。
現時点では、ストラテジーの巨額の含み損とビットコイン・デリバティブ市場の懐疑姿勢が、弱気派によるさらなる圧力を示している。

