
ビットコイン「1000万円割れ」寸前! イラン戦争で原油7%急騰、"史上最大の意見真っ二つ"FOMC直前に投資家パニック
6万4000ドル(約1046万円)近辺でピクリとも動けなくなったビットコイン――。米・イラン戦争の激化で原油価格が一気に7%超も跳ね上がり、"賛否真っ二つ"の連邦公開市場委員会(FOMC)を目前に控え、リスク資産に不気味な暗雲が立ち込めている。売買はスカスカ、個人投資家はАI株へ逃亡中。この膠着相場、いったいどっちに弾けるのか。

ビットコイン(BTC)は水曜日、6万4000ドル(約1046万円)前後で激しく上下に振り回された。地政学的リスクとマクロ経済の緊張が、米国株を容赦なく押し下げたのである。
[今回のポイント]
- ビットコインは複数のマクロ的な逆風にさらされ、6万4000ドル(約1046万円)近辺で身動きが取れなくなっている。
- アジア株の下落が、そのまま米国市場へと波及し続けている。
- 米連邦準備制度理事会(FRB)は次回の金利決定を控えており、これがリスク資産のボラティリティを一気に呼び込む"引き金"になりかねない。
FOMC会合前、リスク資産に立ちはだかる"壁"の数々
トレーディングビューのデータによれば、BTC/USDはウォール街の取引開始とともに、それまでの反発を止められてしまった。前日には11日ぶりの安値となる6万2700ドル(約1025万円)まで叩き落とされている。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
この下落は、アジアの半導体株が投げ売りされたことに端を発する、リスク資産全体の総崩れの一部だった。半導体・AI大手の抱える巨額の債務に対し、市場の警戒感がじわじわと強まるなか、この流れは水曜日も止まらなかった。
さらに追い打ちをかけたのが、米・イラン戦争のエスカレーションへの改めての恐怖である。報復の応酬が続くなか、ドナルド・トランプ米大統領は「痛い目に遭わせてやる」と凄んでみせた。
「我々は連中を激しく叩く。ボコボコにしてやる」――フォックス・ニュースのインタビューで、大統領はそう言い放ったのだ。
その結果、原油価格は急騰。WTI原油は7.6%、ブレント原油は5.4%も値を飛ばした。原油高は消費者物価指数(CPI)の動向を大きく左右しかねず、インフレ懸念が金利見通しにまで悪影響を及ぼす構図である。

CFDs on US WTI crude oil one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
市場が固唾を飲んで見守るのが、FRBによるフェデラルファンド(FF)金利の最新決定だ。7月のFOMC会合では、声明の発表と、ケビン・ウォーシュFRB議長による記者会見が予定されている。ウォーシュ議長は前任者に比べて手掛かりを与えることが少ないとはいえ、トレーダーたちは今後の政策転換のヒントを血眼で探すことになる。
トレーディング情報サービスの「コベイシ・レター」は、FRBの金利判断をめぐって意見が真っ二つに割れている点を指摘した。CMEグループのフェドウォッチ・ツールの最新データでは、現行の3.5~3.75%が据え置かれる確率が66.3%、0.25%の利上げが33.7%となっている。
「明日のFRBの決定に対する市場の予想は、近年でも屈指の"真っ二つ"状態だ」と、同レターは記している。

Fed target-rate expectations for July 29 FOMC meeting (screenshot). Source: CME Group
移動平均線の"板挟み"にあうビットコイン価格
新たなマクロ材料を前に、BTCの値動きは、おおむね50日単純移動平均線(SMA)と指数平滑移動平均線(EMA)に挟まれたレンジ内で推移した。

BTC/USD four-hour chart with 21-day, 50-day EMA. Source: Cointelegraph/TradingView
このレンジは7月中旬に始まったもので、上下双方の流動性ゾーンを突く形で、ブレイクアウトの"空振り"が繰り返されてきた。
コイングラスの最新データによると、現在のレンジの上下両側で清算(ロスカット)が積み上がりつつあり、6万3500ドル(約1038万円)と6万4900ドル(約1061万円)にそのクラスターが集中している。

BTC liquidation heatmap. Source: CoinGlass
しかし、取引高は不気味なほど低調だ。現物市場の出来高は、2023年7月以来の低水準まで冷え込んでいる。
「CMEの建玉は数年来の低水準近辺にとどまり、無期限先物の建玉は30万BTC前後で足踏み。今月の1日あたり平均現物出来高は、わずか22億ドル(約3600億円)にすぎなかった」――暗号資産分析企業のK33リサーチは、火曜日の速報でこう付け加えた。
ビットコイン、そして暗号資産市場全体に対する個人投資家の関心は、2025年10月に付けた史上最高値以降、下降の一途をたどっている。そして、その資金の逃避先として一大勢力となっているのが、ほかならぬAI株なのである。

