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Zoltan VardaiライターYohan Yu監修編集者

ビットコイン「底打ち」は8月に来るのか?運命の分岐点63,000ドルを巡る攻防、その裏に"9950億円売り圧力"の爆弾

マーケット公開日2026年8月5日

弱気相場からの脱出はあるか——。有力リサーチ会社が提示した"魔法のライン"63,000ドル(約993万円)に、暗号資産界隈が色めき立っている。だが手放しには喜べない。マイナーによる9950億円規模ともされる"隠れ売り圧力"、そしてFRBの一手とイラン情勢という二つの爆弾が、ビットコインの行方を握っている。

ビットコイン(BTC)が、長きにわたる弱気相場からついに抜け出すのか——。米調査会社・10xリサーチが8月3日、こんな観測を打ち出した。カギを握るのは「63,000ドル(約993万円)」という一本のラインだ。8月の月間終値でこの水準を上回れば、"弱気相場の底"を打ったと確認できるというのである。

10xリサーチの創業者、マーカス・ティーレン氏は月曜日付のレポートでコインテレグラフにこう明かしている。「ビットコインは7月、底打ちを確認するために必要な水準を下回って取引を終えた」。つまりまだ"合格ライン"には届いていない、というわけだ。

もっとも、このライン、実はそこまで高いハードルではないらしい。レポート作成時点でビットコインはすでに63,140ドル(約995万円)で取引されており、7月終値からわずかに値を戻すだけで"反転シグナル"が点灯する計算だという。10xリサーチは「ロング(買い持ち)を引き続き選好する」としながらも、主要な支持線や移動平均線を割り込むようなら"中立"姿勢に転じる可能性もにじませた。

FRBの一手とイラン情勢という"二つの爆弾"

10xリサーチが描く基本シナリオは、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を据え置くというもの。しかし、話はそう単純ではない。米10年国債利回りがさらに上昇すれば、FRBが9月に利上げへ追い込まれる可能性も否定できないという。加えて、先行き不透明な"火種"として名指しされたのが、イラン情勢だ。

マイナーの"隠れ売り圧力"、その額なんと9950億円規模

そして特に注目したいのが、レポートに記された不穏な一文である。一部のマイナー(採掘業者)が事業の軸足をAI(人工知能)へと移す中、その過程で約10万BTC規模の売り圧力が発生しうるというのだ。10万BTCといえば、当時のレートで換算すると実に63億ドル超——邦貨にしておよそ9950億円、ほぼ1兆円規模というとんでもない金額になる。

10xリサーチはこれに加え、ビットコインを財務資産として保有する"ビットコイン・トレジャリー企業"がポジションを解消する動きからも、追加の売り圧力が出てくるとみている。もっとも同社は、こうした需給要因よりも、マクロ経済環境の方が「より大きなリスク」だと指摘している。

Bitcoin monthly relative strength index (RSI) chart. Source: 10x Research 

グレイスケールも援護射撃?「底打ちは前倒し」説

奇しくも、この"底打ち"説を後押しするような見解が、暗号資産大手グレイスケールからも飛び出した。同社リサーチ部門トップのザック・パンドル氏は7月22日付のレポートで、ビットコインは伝統的な"4年周期"が示唆するよりも早いタイミングで、すでに底を打った可能性があると指摘。従来の周期どおりなら、底打ちは9月か10月になるはずだった、というのだ。

パンドル氏はまた、FRBの金融政策をはじめとするマクロ経済環境こそが、ビットコイン価格を左右する最大の要因であり続けるだろうとも述べている。

更に浮上する"底打ちシグナル"の数々

底打ち説を補強する材料は、これだけではない。7月上旬には暗号資産ブローカーのK33が、ビットコインの供給量の半分以上が含み損状態にあると指摘。これもまた"市場が底に近づいているサイン"の一つだと分析していた。K33によれば、過去にこの水準に達した2017年、2018年、2022年のケースでは、いずれもその13日から31日以内にビットコインが底を打っていたという。

Bitcoin during periods when 50% of supply was held at a loss, with subsequent annual returns. Source: K33

さらに6月のインタビューでは、スワン・ビットコインのコリー・クリップステンCEOがコインテレグラフの取材にこう語っている。長期保有者(ロングタームホルダー)が抱えるビットコイン残高が過去最多となる1470万BTCに達したことも、"底打ちが近い"ことを示す材料の一つだという。

63,000ドル(約993万円)という一本のラインを巡る攻防は、8月末まで持ち越しとなる。強気派が主張する複数の"底打ちシグナル"と、マイナーの大量売り、FRBの一手、そしてイラン情勢という不確定要素——このせめぎ合いの行方から、しばらく目が離せそうにない。

この記事はCointelegraphの編集方針に従って作成されており、情報提供のみを目的としています。投資アドバイスや推奨を構成するものではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴います。読者は独自に調査を行うことを推奨します。

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