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Turner WrightライターSam Bourgi監修ライター

【米暗号資産規制に暗雲】「トランプ優遇法案だ」民主党が猛反発──CLARITY法案、上院可決が危機に

最新ニュース公開日2026年7月16日

米国で暗号資産市場のルールを定める「CLARITY法案」が正念場を迎えている。しかし民主党は「トランプ大統領の暗号資産ビジネスを合法的に守る法案だ」と猛反発。暗号資産業界待望の規制整備は、政治対立の渦に飲み込まれつつある。

米上院で近く採決が予定されている暗号資産市場の包括的な規制法案「デジタル資産市場明確化法(CLARITY法案)」を巡り、民主党議員らが激しく反発している。

7月15日、民主党のクリス・マーフィー上院議員、ジェフ・マークリー上院議員、クリス・ヴァン・ホーレン上院議員は、金融改革団体「アメリカンズ・フォー・ファイナンシャル・リフォーム」や市民団体「インディビジブル」、さらに俳優のベン・マッケンジー氏とともに記者会見を開き、法案への反対を表明した。 

「トランプの暗号資産汚職を止められない法案」

民主党議員らが問題視しているのは、ドナルド・トランプ大統領と暗号資産業界との深い関係だ。

トランプ氏は自身のミームコインを展開しているほか、一族が関与する「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」など複数の暗号資産関連事業を抱えている。

マーフィー議員は記者団に対し、

「トランプ氏による業界全体への腐敗を止められないのであれば、新たな暗号資産規制を作る理由はない」

と強く批判した。

さらに、

「もしこの法案が、トランプ氏が規制権限を持つ業界での支配力を守ることになるなら、この法案自体が腐敗そのものだ」

と述べ、倫理規定を盛り込まない限り賛成できないとの姿勢を鮮明にした。 

Senator Chris Murphy (third from left) addressing the press on Tuesday with Senator Chris Van Hollen (left). Source: Chris Murphy

可決には民主党の協力が不可欠

CLARITY法案は昨年、共和党主導の「クリプト・ウィーク」で下院を通過した暗号資産市場の包括的な規制法案だ。同時期にはステーブルコインを対象としたGENIUS法も成立している。 

しかし、上院では事情が異なる。

法案成立には60票が必要となるため、共和党だけでは票数が足りず、一定数の民主党議員の賛成を取り付ける必要がある。 

ところが、民主党内では反対論が広がっている。

トランプ氏は2025年、自身の暗号資産事業から14億ドル(約2,072億円、1ドル=148円換算)を得たと開示しており、これが利益相反に当たるとの批判が強まっている。 

暗号資産規制に厳しい姿勢で知られるエリザベス・ウォーレン上院議員も、この法案は「露骨な金銭的腐敗」に対処すべきだと主張している主張している。 

一方で法執行機関は支持

政治的対立が激化する一方で、法案を支持する声もある。

全米黒人法執行幹部協会(NOBLE)と連邦法執行官協会(FLEOA)の2団体は、CLARITY法案が暗号資産犯罪への対応能力を高めるとして支持を表明した。

両団体は、暗号資産市場のルールを明確化することが、捜査機関にとっても大きな前進になると評価している。 

採決は8月休会前にも

共和党トップのジョン・スーン上院院内総務は、8月10日の州内活動期間(休会)に入る前までに採決を実施する方針示している。ただし、現時点では正式な採決日程は公表されていない。 

一方、トランプ大統領は14日、自身のSNSで、週末に死去したリンゼー・グラム上院議員を「この法案の強力な支持者だった」と称え、「彼に敬意を表してCLARITY法案を可決してほしい」と上院議員らに呼びかけた。 

しかし、公開情報ではグラム議員がCLARITY法案を直接支持する発言を行った記録は確認されていない。 

さらに、グラム議員の死去とミッチ・マコネル上院議員の入院により、共和党は採決時に出席議員が51人程度にとどまる可能性もあり、法案審議には不透明感が漂っている。 

CLARITY法案を推進するシンシア・ラミス上院議員は、法案の最新版について「数日以内に公表する」と説明しており、今後の修正内容が採決の行方を左右することになりそうだ。

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