
米国で暗号資産取引に0.2%課税へ 業界団体が「違憲」として差し止め請求
米国で暗号資産取引量に0.2%を課す新税をめぐり、業界団体が施行前の差し止めを求めた。企業側は、制度の不明確さと刑事罰のリスクにより、すでに数百万ドル規模の対応コストを迫られていると主張している。

クリプト・カウンシル・フォー・イノベーション(CCI)とブロックチェーン・アソシエーション(BA)は、イリノイ州が2027年1月に施行予定の暗号資産取引に対する0.2%課税を阻止しようとしている。
両団体は水曜日、デジタル資産関連企業が「回復不能な損害」を受けるのを防ぐため、イリノイ州サンガモン郡巡回裁判所に仮差し止め命令を求める申し立てを行ったと発表した。
CCIのジフン・キムCEOは声明で、こう訴えた。
「企業は、何がいつ課税対象になるのかという基本的な疑問にも答えがないまま、憲法上の権利を侵害する税制のために、数百万ドル規模のシステム構築を求められている。しかも、刑事罰の脅しつきだ」
数百万ドルとは、1ドル=154円換算で、100万ドルあたり約1億5400万円に相当する。
キム氏はさらに、「こうしたコストは、1月1日の期限を前に、まさに今この瞬間に発生している。企業は明らかに違法な税制に対応するため、重要なリソースと従業員を振り向けざるを得なくなっている」と述べた。
CCIとBAは先月、イリノイ州のデジタル資産税について、米国憲法、州憲法、連邦および州のデュー・プロセス法、さらに連邦インターネット税自由法に違反しているとして、同州を提訴していた。訴状では、同税制の違法性が詳細に主張されている。
イリノイ州のJB・プリツカー知事は6月、2027会計年度予算の一部として、この措置に署名した。州はこれを「特権税」と位置づけており、所得ではなく取引量に応じて暗号資産利用者に課税する仕組みだ。
この税制に対しては、別の業界団体であるデジタル・チェンバーも、数日前に同様の訴訟を起こしている。
中西部に位置するイリノイ州は、暗号資産取引だけを狙い撃ちにする税制を導入した全米初の州となった。
ブロックチェーン・アソシエーションのサマー・マーシンガーCEOは、こう警鐘を鳴らす。
「州が待つことで失うものはほとんどない。一方で、このまま突き進めば、他のすべての関係者が大きな損失を被る。そしてこの法律が維持されれば、同じことを試みる州はイリノイだけでは終わらないだろう」
一方、イリノイ州は予測市場にも矛先を向けている。予測市場プラットフォームのカルシは、7月1日に施行された法律をめぐり、イリノイ州当局を相手取って訴訟を起こしている。
同法は「スポーツイベント契約」を明確に禁止するものだ。カルシ側は、州のライセンス取得を求めるこの規制が連邦法に違反していると主張している。
さらにプリツカー知事は4月、オンライン予測市場やイベントベースの賭博契約が急拡大する中で「インサイダー取引を防ぐ」ことを目的に、州職員がこれらのプラットフォームで賭けを行うことを禁じる知事令にも署名している。

