米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンズ委員長は、米商品先物取引委員会(CFTC)との合意により、執行(エンフォースメント)を含む「連携と協力」が新たな段階に入ると述べた。
フロリダ州で開催されたFIAグローバル・クリアード・マーケッツ・カンファレンスでの火曜日の講演で、アトキンズ氏は、SECとCFTCが連邦規制当局間の連携に関する覚書(MOU)の更新を検討していることを明らかにした。同氏はデジタル資産の監督について明示的な言及は避けたものの、「同一の行為に対して重複した執行アクションが行われ、相反する是正義務が課されるという、遺憾な時代は終わった」と断言した。
アトキンズ氏は、「単一の運用環境における行為については、SECとCFTCがそれぞれの法的権限と規制上の関心の範囲内で、法的理論と是正戦略を調整すべきだ」と指摘。「断片的で冗長な執行は抑止力を高めず、混乱を招くだけだ」と述べた。
アトキンズ氏の発言は、CFTCのマイケル・セリグ委員長による同様の協力的な姿勢に続くものだ。現在、米議会ではCFTCに仮想通貨(暗号資産)の監視権限を拡大させる包括的な市場構造法案の可決に向けた動きが進んでいる。この法案は「クラリティ法(CLARITY Act)」として7月に米下院を通過したが、ステーブルコインの利回りやトークン化株式、利益相反に関する議論により、上院で事実上停滞している。
証券を監督するSECと商品を監督するCFTCは、多くの専門家が「単一の機関の管轄に明確には収まらない」と指摘する仮想通貨の規制において、しばしばその役割が重複してきた。SEC委員長は、職員が製品の申請に関してCFTC当局者と共同会議を行う予定であるとし、両規制当局のための「ハーモナイゼーション(整合性)」サイトを開設したことを明らかにした。
アトキンズ氏は、「製品が両方の規制枠組みの要素に触れる際、企業が規制当局の間でたらい回しにされるべきではない。また、どちらの機関が先に発言したかによって明確さが左右されるべきでもない。管轄権が重なる場合、最も効果的な対応は連携されたものだ」と強調した。
トランプ氏の指名なく指導部には空席
火曜日の時点で、CFTCの指導部は12月に上院の承認を得たセリグ氏のみで構成されている。同氏は代行を務めていたキャロライン・ファム氏の後任となったが、通常は超党派の5人で構成される委員会のうち、唯一の共和党指名委員となっている。同様に、SECも3人の共和党委員によって主導されている。
ドナルド・トランプ米大統領は火曜日の時点で、いずれの機関に対しても追加の委員を指名する計画についての公的な声明を出していない。

