
ロビンフッド、カナダ暗号資産市場へ“電撃上陸”
株式と暗号資産の取引プラットフォームとして知られるロビンフッドが、ついにカナダ市場へ本格上陸した。同社は、カナダの暗号資産テクノロジー企業ワンダーファイの株式買収を完了。

株式と暗号資産の取引プラットフォームとして知られるロビンフッドが、ついにカナダ市場へ本格上陸した。
同社は、カナダの暗号資産テクノロジー企業ワンダーファイの株式買収を完了。買収額は1億8000万ドル、日本円にして約287億円にのぼる。これによりロビンフッドは、同国でのライセンスや規制当局の承認を手中に収めた格好だ。
ロビンフッドは月曜日、この買収について「カナダ市場への参入を意味するもの」と説明。ワンダーファイ傘下にあった暗号資産取引所ビットバイとコインスクエアも、今後はロビンフッドの陣営に加わることになる。
ビットバイとコインスクエアは、カナダでも有数の大手暗号資産取引所だ。ワンダーファイは3月、両プラットフォームが2025年に合計4980万ドル、約79億5000万円の売上を生み出したと明らかにしていた。
ロビンフッド・クリプト・アンド・インターナショナルのゼネラルマネージャー、ヨハン・ケルブラ氏は声明で、ワンダーファイについてこう持ち上げた。
「ワンダーファイは、初心者から上級者まで幅広い暗号資産ユーザーに対応する、規制下の暗号資産プラットフォーム運営で豊富な経験を持っている。カナダにおけるロビンフッドの使命を加速させる理想的なパートナーだ」
いかにも優等生的な買収コメントではある。だが、その裏にある狙いは明確だ。ロビンフッドは米国で培った“手軽な投資アプリ”のブランドを、カナダの暗号資産市場にも持ち込もうとしているのである。

Source: Vlad Tenev
暗号資産決済企業トリプルAの推計では、カナダ人のおよそ4.1%が暗号資産を保有しているという。また、分析・コンサルティング会社グランド・ビュー・リサーチは、カナダの暗号資産市場が2025年に2億6300万ドル、約420億円の売上を生み出したと推計している。成長を牽引したのはハードウェア関連だという。
同社はさらに、カナダを北米で最も成長の速い地域市場と位置づけ、2033年には市場売上が10億ドル、約1597億円を超えると見込んでいる。
ロビンフッドによれば、ワンダーファイの従業員は経営陣を含め、買収後もそのまま残る予定だ。加えて、ワンダーファイから約30万人の資金投入済み顧客を獲得できる見通しだという。
ロビンフッドとワンダーファイが最初に買収合意を結んだのは昨年5月。条件は普通株1株あたり36カナダセント、米ドル換算で約0.26ドル、約42円だった。グーグル・ファイナンスによれば、ワンダーファイ株は直近1カ月、34〜36カナダセントの間で推移していた。
ロビンフッドが米国の暗号資産取引市場に参入したのは2018年2月のこと。それから約8年、同社は株式取引アプリの枠を超え、暗号資産、子ども向け投資口座、さらにはブロックチェーン基盤へと、その触手を伸ばしている。
今年4月には、子ども向けの税制優遇投資口座プログラム「トランプ・アカウント」において、ブローカー兼初期受託者を務める企業にも選ばれた。
さらに2月には、イーサリアムのレイヤー2ネットワークをテストネットで公開。年内にはメインネットの立ち上げを計画している。ロビンフッド最高経営責任者のヴラド・テネフ氏によれば、このネットワークは公開テストネット開始から最初の1週間で400万件の取引を処理したという。
かつては「手軽に株を買える若者向けアプリ」と見られていたロビンフッド。だが今回のワンダーファイ買収で、同社はカナダの規制網の中に正式な足場を築いた。
暗号資産市場の次なる主戦場をにらみ、ロビンフッドが静かに国境を越えた――そんな買収劇である。
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