
ビットコイン爆買い企業ストラテジーに赤信号 グレイスケール幹部「30億ドル分を売れ」
グレイスケールの調査責任者ザック・パンドル氏は、ストラテジーが現金支払い義務を賄うために30億ドル、約4854億円相当のビットコインを売却すべきだと指摘した。一方で、クリプトクアントは、同社にはSTRCを下支えするための別の選択肢もあると主張している。

グレイスケールの調査責任者ザック・パンドル氏は、ストラテジーが少なくとも30億ドル、日本円にして約4854億円相当のビットコインを売却し、今後2年間に迫る同社の大半の現金支払い義務に備えることを望んでいると述べた。
パンドル氏は土曜日のX投稿で、こうした動きが同社の資本構成に対する市場の信頼回復につながる可能性があると主張した。
ただし、本人の希望とは裏腹に、パンドル氏はストラテジーが優先株「STRC」の配当率を50ベーシスポイント引き上げると予想している。これにより、今後2年間で年間およそ1億ドル、約162億円の追加負担が発生するという。パンドル氏は、このシナリオについて「おそらく市場の信頼回復には役立たない」とも付け加えた。
ストラテジーは現在、主にSTRCに起因する年間約12億ドル、約1942億円の優先株配当義務を抱えている。
STRCは、ストラテジーが看板商品と位置づける「デジタル・クレジット」型の優先株で、額面100ドル、約1万6180円近辺で取引されることを想定して設計されたものだ。だが、このところ値下がりが続いている。金曜日には一時71.25ドル、約1万1528円まで下落し、額面に対して28.75%のディスカウントとなった。
普通株のMSTRも、決して無傷ではなかった。金曜日の終値は82.31ドル、約1万3318円。週間では26.86%の下落となった。
パンドル氏は、ストラテジーがSTRCの配当率を引き上げると予想しつつも、本音では同社にビットコインを売却してほしいと考えている。

Pandl said he expects Strategy to raise STRC's dividend rate but hopes the company sells Bitcoin instead. Source: Zach Pandl
ストラテジーの現金準備にのしかかる圧力
ストラテジーは、上場企業として世界最大のビットコイン保有企業だ。同社が抱える84万7363BTCの巨大な保有高と、その資金調達戦略には、暗号資産業界の視線が注がれている。
ストラテジーが米証券取引委員会に提出した最新の8-K資料によれば、同社は6月15日から21日の間に520BTCを3490万ドル、約56億円で取得した。
一方、ブロックチェーン分析企業クリプトクアントは火曜日のレポートで、ストラテジーはビットコイン購入をいったん停止し、2026年に38%減少した現金準備の回復に集中すべきだと指摘した。
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同じ8-K資料では、ストラテジーが米ドル建て準備金を3億ドル、約485億円増やし、14億ドル、約2265億円にしたことも明らかになっている。とはいえ、これで賄える配当はおよそ14カ月分にすぎない。かつては7年分の余裕があったことを考えれば、クッションは急速に薄くなった格好だ。
ストラテジーは月曜日、「デジタル・クレジット」証券の信用力を支えるため、今後も現金準備の補充を続ける方針だと説明した。
ビットコイン売却以外の選択肢
もっとも、クリプトクアントは、STRCの価格を支えるためにストラテジーがビットコインを売却する義務はないとも指摘している。同社には、現在11.5%の配当利回りを引き上げるなど、株価を下支えする別の手段もあるというわけだ。
ビットコイン支持者のサムソン・モウ氏も、月曜日のX投稿で、STRCには「自己修復メカニズム」が組み込まれていると主張した。
STRCの価格が100ドルの基準価格を下回ると、ストラテジーはATM方式による新規発行を停止する。つまり、新たな株式供給が遮断される仕組みだ。
同時に、価格が下がれば、新たに買う投資家にとっては支払額に対する利回りが機械的に高まる。モウ氏によれば、これが新たな需要を呼び込み、時間の経過とともに価格を額面近くまで押し戻す可能性があるという。
巨額のビットコインを抱え続けるのか、それとも一部を売って市場の不安を鎮めるのか。マイケル・セイラー氏率いるストラテジーの財務戦略は、いまや単なる一企業の資金繰りではない。ビットコイン財務企業というモデルそのものの信認を問う試金石になりつつある。


