
トランプ氏、暗号資産規制の恒久化に意欲 市場構造法案巡り発信
議会におけるデジタル資産市場構造法案の行方は、倫理条項への懸念から依然として不透明であり、仮想通貨との関係が精査されている大統領もソーシャルメディアで意見を表明している。

トランプ米大統領は28日、暗号資産市場の規制について、将来の政権交代後も後戻りしにくい制度にする考えを示した。米議会で審議中のデジタル資産市場構造法案「CLARITY法案」を念頭に置いた発言とみられる。
トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、デジタル資産市場の規制枠組みを「将来に耐えうる」形で法制化する意向を表明した。将来の政権が暗号資産関連の規制を巻き戻すことを防ぐ狙いがあると説明した。

Source: Donald Trump
CLARITY法案は、暗号資産の市場構造を明確化することを目的とする法案で、2025年7月に米下院を通過した。ただ、上院では数カ月にわたり審議が遅れている。政府機関の閉鎖、暗号資産業界や銀行業界からの反発、さらにトランプ一族の暗号資産関連事業を巡る利益相反への懸念が背景にある。
トランプ氏とその息子らは、ミームコイン事業、分散型金融プラットフォーム「World Liberty Financial」、同プラットフォームのステーブルコイン「USD1」、ビットコイン採掘企業などに関係しているとされる。このため、一部の議員は、法案に倫理規定を盛り込まない限り支持しない姿勢を示している。
CLARITY法案は、上院農業委員会と上院銀行委員会でそれぞれ審議を経て前進している。ただ、上院本会議での採決に進むにはなお不透明感が残る。共和党は上院で僅差の多数派にとどまっており、法案成立には民主党議員の支持も必要となる。
トランプ氏の発言後、ビットコイン価格は一時7万4000ドル超から7万3000ドルを下回った。円換算では、7万4000ドルが約1179万円、7万3000ドルが約1163万円に相当する。記事公開時点では、ビットコインは7万3467ドル、約1170万円で推移していた。
トランプ氏の発言は、同氏が任命したポール・アトキンス米証券取引委員会(SEC)委員長の姿勢とも重なる。アトキンス氏は10月、暗号資産を含む将来の規制変更に耐えうる制度作りを進める考えを示していた。
一方、トランプ氏は予測市場を巡る法的対立にも言及した。同氏は、商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長が示した見解を改めて支持し、KalshiやPolymarketのような予測市場について、CFTCが「排他的な管轄権」を持つと主張した。トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏は、KalshiとPolymarketのアドバイザーを務めている。
複数の州当局は、予測市場の運営会社が無免許でスポーツ賭博を提供しているとして訴訟を起こしている。これに対し、CFTCも反訴に動いており、連邦規制と州規制の権限を巡る対立が強まっている。
暗号資産規制を巡っては、米国で証券規制、商品先物規制、銀行規制、消費者保護、政治倫理が複雑に絡み合っている。トランプ政権は暗号資産産業に親和的な姿勢を打ち出す一方、同氏一族の関連事業が規制論議の焦点となっており、法案の行方はなお流動的だ。
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