マーケットメーカーのウィンターミュートによると、多くのビットコインマイニング企業はこの市場サイクルで収益確保に苦戦している。マイニング収益の低下が続く中、AIホスティングへの事業転換や、保有ビットコインを活用して利回りを生み出す戦略が必要になる可能性があるという。
ウィンターミュートは木曜日のブログ投稿で、ビットコイン(BTC)マイニング企業が長年にわたり低コストの電力市場で大規模な電力インフラを構築してきたと指摘した。その結果、現在は「AI産業が最も切実に必要としており、容易には再現できない資産」を保有している状況にあると説明した。
同社はまた、ビットコインマイニングが「構造的に硬直したビジネスモデル」だと指摘したうえで、AI分野への転換は魅力的な選択肢ではあるものの、「大きな資本を必要とする大胆な一手」でもあると述べた。
この分析は、マイニング大手MARAホールディングスがAI分野への進出を検討している状況の中で示された。同社は3月3日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した書類で、AI事業への転換資金を確保するため保有BTCの一部売却を検討していることを示唆した。また、上場マイニング企業は10月以降、合計1万5000BTC以上を売却している。
マイニング企業のBTC保有は「HODL時代の遺産」
ウィンターミュートによると、ビットコインマイニング企業は合計でBTC総供給量の約1%を保有している。この状況は「HODL時代の遺産」と言えるものであり、「財務管理のためのあらゆる手段がほとんど活用されていない」と同社は指摘した。
仮想通貨の利回り獲得手段はこれまで主にステーキングやDeFiに限られてきた。しかしウィンターミュートは、マイニング企業も積極的な運用によって利回りを得られる可能性があると説明した。例えば、デリバティブ構造、カバードコール、キャッシュ担保付きプットなどを活用し、市場リスクを収益化する方法がある。
また、受動的な運用方法としては、BTCをレンディングプロトコルに預けて利息を得る方法も考えられる。

ウィンターミュートは「マイニング企業が利用できる最も過小評価された手段は、バランスシートの積極的な管理だと考える。この分野は戦略的にもっと重視されるべきだ」と述べる。
同社はさらに、「BTC保有を単なる準備資産ではなく運用資産として扱うマイニング企業は、次の半減期に向けて構造的な優位性を持つ」と指摘した。
ウィンターミュートによると、今回の4年サイクルでは初めて、ビットコイン価格が半減期による収益減少を補うために必要な2倍の上昇を達成していない。また粗利益率も、過去には弱気市場の底を示していた水準でピークを迎えている。
さらに、取引手数料市場もマイニング収益の不足を補うには不十分とされる。手数料収入は「一時的な増加にとどまり、構造的な収益源ではない」とウィンターミュートは指摘した。一方で電力コストは依然として利益率を圧迫している。
同社は、この収益圧迫は2018年や2022年のサイクルとは異なる特徴を持つと分析した。これはビットコインの設計の範囲内で起きている「健全な再編」であり、その結果としてマイニング業界は「より効率的になる」としている。
