
ビットコイン、6万3000ドル回復 イランのホルムズ海峡閉鎖でも反発
ビットコインは、2022年10月以来の高水準となった米PPIインフレと、イランによる原油輸送の大動脈ホルムズ海峡の閉鎖という二重の逆風にもかかわらず、直近の反発基調をおおむね維持した。

ビットコイン(BTC)は木曜日、6万3000ドル(約1008万円)台を回復した。イランが世界の原油輸送の要衝を閉鎖したとのニュースが流れたにもかかわらず、暗号資産市場はこれを振り払う格好となった。
イラン情勢とPPIインフレがリスク資産に逆風
トレーディングビューのデータによれば、BTC/USDはビットスタンプで一時6万3200ドル(約1011万円)をつけた。前日比では2.5%超の上昇である。
暗号資産市場は、地政学リスクの高まりにもかかわらず反発した。世界的なインフレ動向に新たな火種となり得る状況でありながら、相場は買い戻しを優先した形だ。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
報道によれば、イランは湾岸諸国にある米国インフラへの攻撃を受け、ホルムズ海峡を「追って通知があるまで」閉鎖したという。
このニュースを受け、米WTI原油は1バレル91ドル(約1万4560円)を上回った。

CFDs on WTI crude oil one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
さらに、ドナルド・トランプ米大統領は、木曜夜にイランが「非常に激しく」攻撃されることになると警告した。
トランプ氏はトゥルース・ソーシャルへの投稿で、こう書いた。
「遠くない将来のどこかの時点で、われわれはハルグ島、その他の石油インフラ拠点を掌握し、イランの石油・ガス市場を完全に管理下に置く。ベネズエラでそうしたのと同じようにだ。ベネズエラと米国の双方にとって、これは見事に機能している」

Source: Truth Social
その前日、トランプ氏は、ワシントンがホルムズ海峡を「支配している」と述べていた。同海峡では、およそ1億バレルの原油が通過しているとされる。
取引会社QCPキャピタルは最新分析で、市場は「軍事的エスカレーションのリスク」と「エネルギー供給寸断のリスク」の双方を同時に織り込まざるを得なくなっていると説明した。
同社は水曜日のマーケットカラーで、次のように記している。
「この組み合わせは、リスク資産を厄介な位置に置いている。投資家がパニックに陥っているわけではない。しかし、次のヘッドラインひとつで市場がどちらにも振れ得るなか、積極的にリスクを取りにいく姿勢は明らかに弱まっている」
一方、木曜日に発表された米生産者物価指数(PPI)も、暗号資産やリスク資産への圧力となった。
米労働統計局(BLS)は、前年比のPPIが約4年ぶりの大幅上昇となったことを確認した。ここ数カ月続いているインフレ再加速の流れが、なお継続していることを示す内容だった。
BLSの公式発表では、こう記されている。
「5月までの12カ月間で、食品・エネルギー・貿易サービスを除く最終需要価格は5.1%上昇した。これは2022年10月に5.5%上昇して以来、最大の12カ月上昇率である」

US PPI one-month % change. Source: BLS
また、水曜日に発表された5月の米消費者物価指数(CPI)は、前年比4.2%となった。これは2023年4月以来、最も高い伸び率である。
BLSの発表によれば、上振れの主因はエネルギー価格だった。
「エネルギー指数は、5月までの12カ月間で23.5%上昇した」
CMEの「窓」が、なおビットコインの上値目標に
ビットコイン市場では、引き続き6万ドル(約960万円)のサポート維持に注目が集まっている。ただし、強気派が本格的な反攻に移るための足場は、まだ確保されたとは言い難い。
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暗号資産トレーダー兼アナリストのミカエル・ファン・デ・ポッペ氏は同日、Xのフォロワーに向けてこう述べた。
「ビットコインについては、かなりシンプルだ。6万3300ドル(約1013万円)と6万5800ドル(約1053万円)のエリアを突破できれば、さらに大きな上昇を見ることになる」

BTC/USD one-week chart. Source: Michaël van de Poppe/X
ファン・デ・ポッペ氏が示した上値目標は、CME先物市場に残る未埋めの窓と一致している。その水準は7万5000ドルから8万ドル、円換算では約1200万円から約1280万円にあたる。
価格が上方向に抜けることができれば、ビットコイン市場の視線は再びこの領域へと向かうことになる。

